2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19044027
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 満 The University of Tokushima, 疾患酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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Keywords | 自己寛容 / 胸腺 / オートファジー / MHC / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
オートファジー(autophagy)は主として栄養飢餓状態に誘導される大規模な細胞蛋白分解・処理機構である。本研究では、オートファジーによるMHC class II経路を介した内在性自己抗原の提示が自己寛容の成立機構に関わっているか否かをAtg-7欠損マウスマウスを用いて検討した。すなわち、Atg-7ヘテロ欠損マウスを交配後、胎齢14.5日目の胎仔を取り出し、2-deoxyguanosineを含む培養液中で4日間培養し、T細胞が除去され、いわば「器」の状態となった胎仔胸腺をヌードマウスの腎被膜下に移植した。移植後6週間目にレシピエントマウスにおけるT細胞の再構築状態をFACSにより確認した後、全身諸臓器について病理学的な検討を行った。さらに、移植胸腺から回収したT細胞を用いて、制御性T細胞の産生状態についても検討した。その結果、Atg-7欠損マウス由来の胎仔胸腺の移植によってレシピエントマウスに自己免疫疾患の発症は観察されず、また、制御性T細胞の産生にも特に異常を認めなかった。オートファジーが胸腺上皮細胞においてMHC class II経路を介した内在性自己抗原の提示によって自己寛容の成立機構に重要な働きを持つ可能性を示唆した報告があることから、実験系を含め、さらに詳細な検討が必要である。他方、Atg-7欠損マウス由来の胎仔肝細胞を致死量の放射線を照射したレシピエントマウスに移植し免疫学的性状の解析を行ったが、特に異常を認めなかった。このことから、血球細胞におけるオートファジーの役割は比較的限定的であることが示唆されたが、今後、感染モデル等により検証する必要がある。
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Research Products
(4 results)