2007 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の自食作用による液胞の蛋白分解機構と液胞内アミノ酸の生理的役割の解明
Project/Area Number |
19044029
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
竹川 薫 Kagawa University, 農学部, 教授 (50197282)
|
Keywords | 分裂酵母 / 液胞 / オートファジー / タンパク分解 / 胞子形成 / アミノ酸トランスポーター |
Research Abstract |
分裂酵母Schizosaccharomyces pombeは菌体を窒素飢餓などの栄養飢餓条件にさらすと数時間で減数分裂→胞子形成を行なうため、窒素飢餓時の胞子形成プロセスを解析するためには出芽酵母よりも良い実験材料である。そこで本研究では窒素飢餓時における分裂酵母の液胞内でのタンパク質分解とアミノ酸の細胞質への排出機構、さらに胞子形成に利用されるアミノ酸の合成機構について検討を行なった。 (1)GFPと分裂酵母Atg8pの融合タンパクを作成し、GFP-Atg8pの局在及びウエスタン解析によるオートファジーのアッセイ系の確立を試み、解析を行った。その結果、窒素飢餓条件下ではatg破壊株のGFP-Atg8の局在は野生株と異なり、液胞への輸送が行われなかった。また同条件下では、atg破壊株でかつアミノ酸要求株では完全に不稔性であるが、アミノ酸の添加、もしくはアミノ酸非要求性株にでは部分的に胞子形成を回復した。この結果から分裂酵母において細胞内に蓄積していたアミノ酸によりオートファジー非依存的に胞子形成を回復できることが示唆された。(2)胞子形成時に液胞からのアミノ酸排出に関与するトランスポーターの解析を行った。その結果、出芽酵母の液胞局在アミノ酸トランスポーターと相同性の高い2つの分裂酵母遺伝子の破壊株(avt3, avt5株)で胞子形成欠損が認められた。この結果からこの両タンパク質が胞子形成時に液胞から細胞質へのアミノ酸の排出に重要であることが示唆された。現在、分裂酵母ATG22遺伝子ホモログ遺伝子破壊株とともにアミノ酸の液胞内の蓄積量について解析を行っている。
|
Research Products
(4 results)