2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア外膜タンパク質のプロテアソーム分解とその生理的役割
Project/Area Number |
19044033
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡 敏彦 Kyushu University, 医学研究院, 准教授 (40263321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大寺 秀典 九州大学, 医学研究院, 助教 (40380612)
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Keywords | タンパク質の分解 / ミトコンドリア / プロテアソーム |
Research Abstract |
ミトコンドリアは細胞内での主なエネルギー生産の場であり、欠くことの出来ないオルガネラである。ほとんどのミトコンドリアタンパク質は核にコードされており、遊離型リボソームで合成後に、ミトコンドリアに運ばれる。そこで、最初にミトコンドリア外膜に存在するTom複合体に認識され、外膜、膜間スペース、内膜、マトリックスの各場所に輸送されて行く。つまり、Tom複合体はミトコンドリアタンパク質の最初のゲートであり、外膜でのその存在量は厳密に制御されなければならない。例えば、培養細胞でTom複合体のサブユニットであるTom22にFLAGタグを付加し安定発現株を作成すると、Tom22-FLAGの発現した分だけ内在性Tom22の発現量が減少し、結果としてTom22過剰発現株を得ることは出来ない。この様に、異なるプロモーター下でTom複合体サブユニットを発現させてもその発現量が上昇しないことから、ミトコンドリア外膜上には過剰量のタンパク質を積極的に分解する機構が存在すると考えられる。 私たちはTom複合体サブユニットの一つであるTom20の発現をRNA干渉法を用いて抑制すると、他のサブユニットであるTom22の量が定常状態で半減する事を用いて、ミトコンドリア外膜タンパク質の品質管理について研究している。パルス・チェース実験より、Tom22の発現抑制に伴ってTom20の半減期が15時間から4時間程へと短縮されことから、積極的に分解されていることが明かとなった。この分解は、プロテアソーム阻害剤エポキソマイシン(EXM)により完全に抑圧された。Tom40を含むTomコア複合体はTom22の減少による影響を受けないので、Tom20はTom22が減少しTom複合体と安定に結合出来なくなったため、よりプロテソーム分解を受け易くなったと考えられた。ミトコンドリア外膜には2つの既知のユビキチンリガーゼが存在するが、RNA干渉法を用いた実験によりどちらもTom20の分解に関わっておらず、新規のユビキチンリガーゼの関与が示唆された。
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