2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソームとカルパインのクロストークと神経機能制御に関する研究
Project/Area Number |
19044036
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久永 眞市 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 教授 (20181092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 太郎 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (70301413)
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Keywords | タンパク分解 / 酵素 / プロテアーゼ / プロテアソーム / カルパイン / Cdk5 / ミリストイル化 / 膜結合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、神経細胞におけるプロテアソームとカルパインの活性調節、機能制御、そして、クロストークについて、Cdk5活性化サブユニットp35の分解を通して明らかにすることである。p35はプロテアソームによって全分解され、カルパインによってp25へと限定分解される。プロテアソームによるp35の全分解はグルタミン酸(神経伝達物質)によって引き起こされ、シナプス可塑性に関与していること、カルパインによる限定分解は神経細胞死を促進することを示してきた。H20年度はパーキンソン病モデル神経細胞死におけるp35の分解の役割と機構について検討した. MPP+で初代培養神経細胞を処理すると12時間から24時間後には神経細胞死が見られる. しかし, 3時間という短い処理でも細胞死が決定されており, 細胞死の引き金はかなり早い時期に起こっていることが予想された.MPP+処理後3時間で, p35の全分解が起こり, Cdk5活性の低下がみられた. p35の強制発現を行いCdk5活性の低下を抑えたところ, 細胞死の抑制が見られた. Cdk5活性の低下が細胞死の原因と考えられた. MPP+によるp35の分解機構についても調べた. MPP+はミトコンドリアの電子伝達系を阻害し, p35の分解を引き起こしていた. ミトコンドリア障害により, ミトコンドリアタンパクの移行が抑制され, 細胞質内での蓄積が起こり, その分解のため, プロテアソームが活性化された結果であることが示された. 本研究の結果はCdk5の生存活性とパーキンソン病との関連を初めて示すものである.
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