2007 Fiscal Year Annual Research Report
成体神経前駆細胞におけるベータカテニン分解制御の意義
Project/Area Number |
19044037
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
澤本 和延 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (90282350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 ゆき 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00453548)
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Keywords | 脳室下帯 / 神経前駆細胞 / 新生ニューロン / βカテニン / Diversin |
Research Abstract |
マウス成体脳室下帯においてはβカテニン蛋白質の核内への蓄積が神経幹細胞・前駆細胞において特異的に起こり,これらの細胞の増殖を促進する。Diversinは,β-catenin蛋白質のポリユビキチン化を促進して分解に導く。本研究では,成体脳室下帯の神経幹細胞の分化過程におけるDiversinの発現と,βカテニン蛋白質の分解制御における機能を蛋白質・細胞・個体レベルで明らかにし,蛋白質分解系の生物学的役割の理解に貢献することを目的とする。平成19年度は,成体マウス脳室下帯での神経幹細胞の神経細胞への成熟過程における,Diversinの発現パターンの詳細を細胞種特異的マーカーとの多重染色によって解析した。その結果,Diversinは脳室下帯の神経前駆細胞と新生ニューロンで発現し,神経幹細胞であるGEAP陽性アストロサイトには発現しないことが明らかになった。この結果は,Diversinによるβ-catenin蛋白質の分解が神経幹細胞からの神経前駆細胞と新生ニューロンの分化へ関与することを示唆している。次にDiversinの機能を明らかにする目的で,Diversinを発現するレトロウイルスを作成し,成体マウス脳室下帯への注入実験を行った。ウイルス注入48時間後にウイルス感染細胞を解析した結果,Diversinを過剰発現させた新生ニューロンの移動経路における分布が対照群に比べ異常になることを見いだした。この結果は,Diversinの機能が新生ニューロンの移動に関与することを示唆している。
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Research Products
(5 results)