2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19044046
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石井 俊輔 The Institute of Physical and Chemical Research, 石井分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)
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Keywords | プロテアソーム / ユビキチン / E3リガーゼ / Myb / Fボックスタンパク質 / Wntシグナル / 造血細胞 / 増殖分化 |
Research Abstract |
転写因子c-Mybは、未分化造血系細胞の増殖と分化に重要な役割を果たしている。私達は、Wntシグナルによって、TAK1キナーゼを介して、2つのキナーゼ、HIPK2とNLKが活性化されること、そして、NLKが直接c-Mybの複数部位をリン酸化し、c-Mybのユビキチン化とプロテアソーム依存的な分解が誘導されることを、報告している。C-Mybに結合する一群のFボックスタンパク質を解析し、そのうちの一つFbxw7が直接c-Mybに結合し、Wntシグナル依存的なユビキチン化とプロテアソーム依存的な分解を、誘導することを明らかにした。Fbxw7は、e-Mybと共にHIPK2にも結合し、一方、Fbxw7と共に機能的ユビキチンE3リガーゼのサブユニットであるCullは、NLKとHIKPK2の2つのキナーゼに結合することが示された。このように、Fbxw7はc-Mybの分解に重要な役割を果たしているので、Fbxw7の変異による発がんには、c-Mybの安定化も関与することが示唆された。 また、形態形成を制御するヘッジホグ(Hh)シグナルの下流で機能している転写因子Ciに結合し、Ciの分解に関与する因子Roadkill(Rdx)について解析した。Rdxは、Cul3と結合して、ユビキチンE3リガーゼとして、Ciのプロテアソーム依存的分解に関与することが、報告されている。しかし、私達は、Rdxが強いHhシグナルを受け取る領域では、Ciの核内移行を阻害することを見出した。Rdxの2つの機能の使い分けは、Hhシグナル強度に応じて、核内のCi分子数を調節し、標的遺伝子を選択的に調節するために、重要な役割を果たすことが明らかにされた。
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