2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識ユビキチンリガーゼの構造変換に基づくF-boxタンパク質の標的分子探索
Project/Area Number |
19044049
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
吉田 雪子 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90271543)
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Keywords | F-box蛋白質 / ユビキチンリガーゼ / N型糖鎖 / 標的分子 |
Research Abstract |
ユビキチン・プロテアソーム系による選択的タンパク質分解は,様々な生体反応において重要な役割を担っている。この系において最も重要な分子は,分解を受けるべく標的タンパク質を見分け,それにタイミング良くユビキチンを連結させる酵素‘ユビキチンリガーゼ'であり膨大な数存在することが知られている。その中で最も良く研究されているファミリーのひとつSCF型ユビキチンリガーゼの基質認識ユニットのF-boxタンパク質はヒトでは約70種存在するが,多くのF-boxタンパク質の標的分子は未知である。本研究では,糖鎖を認識するF-boxタンパク質Fbs1と相同性が高いF-boxタンパク質のうち,糖鎖結合能のないFbxo44とFbxo17を中心に基質の探索を行うことを目的とした。今年度は,Fbxo44とFbxo17の標的分子スクリーニングの系を立ち上げ,いくつかの標的分子を同定した。Fbxo44には2種類のオルタナティブスプライシングフォームが存在するが,それらFbxo44a及びFbxo44bはC末端側半分が全く異なるアミノ酸配列を持つ。これらの中で,Fbxo44bの標的分子であるビテロネクチン様カルボキシペプチダーゼ(CPVL)を中心にその細胞内における挙動を解析し,Fbxo44が糖鎖非依存的にCPVLを小胞体においてユビキチン化することを見出した。また,Fbxo44aについてはRNA結合配列をもつ複数個のタンパク質と結合することを見出した。Fbxo44aがこれらの分解に関わるのかを今後詳細に検討していく。
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