2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19044050
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
村田 茂穂 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20344070)
|
Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / 胸腺 / T細胞 / シャペロン / 分子集合 |
Research Abstract |
26Sプロテアソームは分解の目印であるユビキチン鎖が連結したタンパク質を分解する細胞内プロテアーゼであり,すべての真核生物において生存に必須の役割を果たしている。プロテアソームは酵母からヒトに至るまで高度に保存された構成と分解作用を有するが,哺乳類においては多様性を獲得するとともに特有の生命現象(神経,免疫,癌,老化)に関わっていることが知られるようになり,近年プロテアソームとの関連がクローズアップされ始めている。本研究計画における研究成果は以下の通りである。 1.我々は,胸腺組織に特異的に発現する新規なプロテアソームのサブユニットを発見し,胸腺におけるT細胞の発達に必須の役割を果たしていることを明らかにした(Science,2007)。 2.プロテアソームがユビキチン化蛋白質を認識する機構についてはこれまで複数の分子の関与が知られていたが,我々はプロテアソームのサブユニットの一つであるRpn10のUIMと呼ばれるモチーフのみを欠損するマウスを作成し,RpnlOのこのドメインがプロテアソームのユビキチン鎖受容に重要な役割を果たしていることを明らかにした(Mol Cell Biol,2007)。 3.20Sプロテアソームの詳細な形成機構を世界で初めて明らかにした。我々自身が発見したプロテアソーム特異的シャペロン分子PAC1-3および他のグループにより発見されたPAC4およびhUmp1がプロテアソームのサブユニット自体に備わる分子内シャペロンドメインと協調的に働いて,きわめて厳格に段階的にプロテアソームの形成が進行することがわかった(投稿中。)
|