2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞傷害時のアストロサイト活性化におけるセルセンサー分子の役割
Project/Area Number |
19045001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南 雅文 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授 (20243040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 貴博 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (90399957)
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Keywords | アストロサイト / 神経細胞傷害 / ATP / TRPチャネル / 形態変化 / ケモカイン / グリア細胞 / 脳スライス培養系 |
Research Abstract |
脳スライス培養系を用いて、アストロサイト活性化における内因性ATPの役割を検討したが、NMDAによる神経細胞傷害時のケモカイン産生亢進については内因性ATPの関与を示すデータは得られなかった。本実験過程において、細胞骨格に作用するサイトカラシンDがNMDA誘発神経細胞傷害によるケモカイン産生誘導を抑制するにもかかわらず、ATP誘導体によるケモカイン産生誘導を抑制しないことを見いだし、神経細胞時のMEK-ERK系活性化とそれに引き続くケモカイン産生亢進にはアストロサイト形態変化が何らかの役割を果たしていると考え、神経-アストロサイト共培養系を用いてNMDAによる神経細胞傷害時のケモカイン産生亢進およびMEK・ERK系活性化を観察するための実験系を構築した。今後、本実験系において、神経細胞傷害時のケモカイン産生亢進およびアストロサイト形態変化に対するサイトカラシンDの効果を検討する予定である。また、常時活性化型RhoAをアストロサイト特異的に発現させることで、神経細胞を傷害せずアストロサイト形態変化を誘発し、ケモカイン産生に及ぼす影響を検討するため、本年度の研究では、常時活性化型RhoA遺伝子をアストロサイトに導入するためのウイルスベクターの構築を行った。さらに、アストロサイト活性化における既知のセルセンサー分子の関与を網羅的に調べるため、先ず、TRPチャネルファミリーに焦点を絞り、脳スライス培養系において、TRPチャネル阻害薬2-APBおよびルテニウムレッドの効果を検討したが、神経細胞傷害によるケモカイン産生誘導を抑制しなかった。
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Research Products
(5 results)