2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳の発達環境におけるシナプス外シグナルとセンシング機構の普遍性とダイバシティ
Project/Area Number |
19045012
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (50254272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 竜郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00402339)
森島 寿貴 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60456548)
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Keywords | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / 大脳皮質 / 細胞移動 / GABA / タウリン / モーダルシフト / トニックコンダクタンス |
Research Abstract |
1.胎仔脳内タウリン欠乏モデルの作成[福田、森島]: D-システインスルフィン酸をマウスの妊娠13-15日に24時間毎に母体に腹腔内投与してタウリンの合成を阻害したところ、HPLC法で測定した細胞外タウリン濃度は約50%減少していた。パッチクランプ記録ではtaurine transporter阻害剤のGESによりトニックカレントは増大した。細胞外GABAが殆ど無いGAD67-GFP knock-inマウスホモ接合体でも細胞外タウリンによるGABA_A受容体を介するトニックカレントが記録され、これはtaurine欠乏モデルでは消失していた。 2.タウリンの放出および取り込みメカニズムの検討[福田、森島]: 免疫組織化学法で検討したtaurineとtaurine transporterの胎仔脳の分布は類似していた。すなわち、脳室帯を除く大脳皮質全体に多くみられ、特に辺縁帯と脳室下帯に集積していた。しかし、生後1週間で両者とも大脳皮質から消失した。また、GESで胎仔脳スライスを還流すると細胞外taurine濃度が約50%増加した。すなわち母体由来taurineが皮質層構造形成に重要な部位にtransporterにより取り込まれる可能性を示唆している。taurine抗体による免疫電顕では、E17マウスの脳室下帯ではシナプス構造ははっきりせず、taurineは細胞体や線維に存在していた。一方、P0ラットの辺縁帯ではシナプス構造は認めたが、taurineは小胞には局在していなかった。 3.KCC2強制発現インビボモデルによる内因性のKCC2機能抑制因子の同定[熊田、福田] インビボ電気穿孔法でKCC2を強制発現させた細胞からCl^-濃度を調節したホールセルパッチクランプで[Cl^-]_i変化を測定し、リン酸化阻害剤および脱リン酸化阻害剤をスライスに投与して[Cl^-]_i変化を測定したところ、生後1週は過剰発現したKCC2がリン酸化の影響で機能抑制されていた。
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Research Products
(20 results)