2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳の発達環境におけるシナプス外シグナルとセンシング機構の普遍性とダイバシティ
Project/Area Number |
19045012
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (50254272)
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Keywords | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / 大脳皮質 / 細胞移動 / GABA / タウリン / モーダルシフト / トニックコンダクタンス |
Research Abstract |
1. shRNA法を用いたCl-トランスポーターknock-downによるモーダルシフト : [熊田、森島] マウスnkcclのsiRNAを作製し、single-cell real-time PCR法でsiRNAの効果を判定した。子宮内電気穿孔法で胎仔の新生神経細胞に選択的に導入することで、NKCC1減少による[Cl^-]_iの低下をパッチクランプ法で解析できる。また電気穿孔法で遺伝子導入して移動細胞にKCC2を強制発現させた。[Cl^-]_iの低下を認めなかったが、リン酸化阻害剤の投与によりE_<GABA>は過分極側へシフトした。すなわち、KCC2の強発現とリン酸化阻害により[Cl^-]_iのモーダルシフトを誘導し、細胞移動の変化を解析する系ができた。 2. タウリン受容体のセンシングモデュールとしてのダイバシティとモーダルシフト : [福田、森島] マウスの胎生期から生後にかけて、タウリン応答を仲介する受容体はGABA_A受容体であった。胎生期ではタウリンとタウリン輸送体は一致した分布で、脳室帯や基底核原基に存在せず、辺縁帯とサブプレート/中間帯に特に多く、皮質板がこれについで多かった。生後に両者とも減少傾向を示し、4週では殆ど認められなくなった。一方で胎生期のGABA細胞は基底核原基を始め、辺縁帯と脳室下帯に集積し、ついで皮質板に多かったが、タウリンと対照的にサブプレート/中間帯で少ない分布を示した。細胞外GABAの空間分布はGABA細胞の分布と良く一致していた。 3. タウリンのストレス応答の検討 : [福田] 妊娠したGAD67-EGFPノックインマウスの+/+母体より+/-母体で顕著にコルチコステロンが上昇していたので、+/+母体を拘束ストレスの実験に供した。胎仔脳(+/-)への影響ではHPLC法にてGABA含有量やタウリン含有量に減少傾向があったが有意差はなかった。しかし、細胞外GABAがストレス胎仔で上昇している可能性があった。
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Research Products
(18 results)