2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境センサー・ヒスチジンキナーゼのヘテロ2量体形成と情報処理機構の解析
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19045014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
饗場 浩文 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (60211687)
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Keywords | ヒスチジンキナーゼ / センサー / ストレス応答 / 2成分制御系 / 大腸菌 |
Research Abstract |
ヒスチジンキナーゼのヘテロ2量体形成を検出するため、大腸菌内two-hybrid法を用いて大腸菌の全てのヒスチジンキナーゼ(30種類)について網羅的に相互作用の有無を検討した。その第1段階として、まず自分自身で相互作用する(ホモ2量体を形成する)ことができるヒスチジンキナーゼ8種類を選択した。その後、これら8種類のヒスチジンキナーゼに関して、異なるヒスチジンキナーゼ間での相互作用(ヘテロ2量体を形成)を解析した。その結果、4対のヘテロ2量体形成候補を見いだした。次にこれらのヒスチジンキナーゼが制御する遺伝子を同定するため、対応するレスポンスレギュレーターを高発現してマイクロアレイ解析を行った。その上で、今年度はBaeSとYedVに注目して解析を進めたところ、BaeSが制御する遺伝子の発現にYedVが必要なこと、他方、YedVが制御する遺伝子の発現にBaeSが必要なことを示す結果を得た。これは、BaeSとYedVの間に遺伝学的相互作用が存在することを示しており、両者がヘテロ2量体を形成し機能することを支持するものと考えた。ヘテロ2量体形成を他の方法によっても確認するため、Split GFP法を試みたが相互作用は検出できなかった。現在、免疫沈降やクロスリンクによって2量体形成能の確認を進めている。今後、2量体形成を妨げた場合に起こる表現型の解析や、ホモ2量体が機能しない条件下(リン酸化ヒスチジンを変異させたものと、キナーゼドメインを欠失させたものをそれぞれ発現させるなど)での表現型解析などを通して、ヘテロ2量体の情報伝達機構における意義を明らかにしたいと考えている。この解析と並行して、レスポンスレギュレーターについても網羅的に相互作用解析を行ったが、相互作用を示す結果は得られなかった。
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