2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガス分子により駆動される新規なセンサータンパク質の機能発現機構
Project/Area Number |
19045031
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
青野 重利 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (60183729)
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Keywords | センサータンパク質 / 酸素センサータンパク質 / 一酸化炭素センサータンパク質 / ヘムタンパク質 |
Research Abstract |
本研究では,酸素,一酸化炭素などの二原子気体分子により駆動される気体分子センサータンパク質の機能発現機構の解明を目的として研究を行った。本年度は特に,一酸化炭素センサータンパク質であるCooAならびに酸素センサータンパク質であるHemATを主な研究対象とし研究を行った。CooAおよびHemATの野生型ならびに系統的なアミノ酸変異を導入した各種変異型タンパク質の共鳴ラマン散乱スペクトル,紫外・可視吸収スペクトル等の分光学的測定を行い,これらのセンサータンパク質による選択的気体分子センシング機構解明のための基礎的な知見を得た。また,CooAにっいては,好熱性一酸化炭素酸化細菌Craboxydothermus hydrogenoformans由来のCooA(Ch-CooA)め結晶化に成功し,その構造を基にして,CooAの機能発現機構についての考察を行った。得られた結晶構造は,CooA分子中のヘムに外部配位子としてイミダゾールが結合した,イミダゾール結合型であった。外部配位子であるイミダゾールは,本来のエフェクターである一酸化炭素が結合するのと同じところに結合していたが,Ch-CooA分子全体の構造は不活性型の構造であった。これは,ヘムに結合したイミダゾールとヘムポケットに存在しているMet5の主鎖カルボニル酸素との間に水素結合が存在し,この水素結合がヘムの動きを阻害しているため,一酸化炭素と同じ位置にイミダゾールが結合するにも拘らず,Ch-CooAの活性化に必要なコンフォメーション変化が不完全にしか起こらないためであると考えれる。
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