2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19059007
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
烏山 一 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60195013)
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Keywords | B-1細胞 / プレB細胞レセプター / 発現調節 / リソソーム / 好塩基球 / マクロファージ / 炎症 |
Research Abstract |
B-1細胞は、腹腔や胸腔に局在する特殊なB細胞で、自己反応性抗体の産生など自己免疫疾患との関連が指摘されているとともに、慢性リンパ性白血病の起源細胞としても注目されている。前年度までの研究で、腹腔B-1細胞のなかでも高頻度で認められるフォスフーアティジールコリン反応性B細胞のH鎖の大部分がVH11セグメントとJH1セグメントを使用していること、この著しいJH1バイアスが胎児肝臓におけるB細胞分化の過程で、抗原を介するクローン選択がおこる以前にすでに確立していることを示した。本年度の研究では、その分子機構を解析した。異なるJHセグメント(JH1-JH4)を有するVHI1-μH鎖のプレB細胞レセプター形成能、プレB細胞の増殖・分化誘導能を比較した結果、JH1を有するVH11-μH鎖のみが高い能力を示した。すなわち、JH1バイアスは、胎児肝臓におけるプレB細胞レセプターを介する正の選択によって生じていることが判明した。さらに面白いことに、JH1を有するVH11-μH鎖を有するB細胞レセプターのみが、フォスファティジールコリン結合能を示した。B-1細胞の分化過程で、将来フォスファティジールコリン反応性を示すH鎖のみを効率的に選別する機構があることが判明した。プレB細胞レセプターはB細胞初期分化の過程で一過性に発現するが、それにはリソソームに発現する膜型蛋白のひとつが深く関与していることが示唆された。 自然免疫系の細胞に関しては、好塩基球がTh2サイトカインの分泌によりマクロファージを活性化し、できた非古典的活性化マクロファージがアレルギー炎症を抑制するメカニズムが存在することを示唆する結果を得た。
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