2007 Fiscal Year Annual Research Report
実空間における複合感性と状況理解の多様性のロボティクス的モデル化とその応用
Project/Area Number |
19100004
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
加藤 俊一 Chuo University, 理工学部, 教授 (50297107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 茂幸 中央大学, 理工学部, 教授 (10276694)
梅田 和昇 中央大学, 理工学部, 教授 (10266273)
庄司 裕子 中央大学, 理工学部, 准教授 (30286174)
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Keywords | 感性の工学的モデル化 / マルチモーダル / 生理計測 / ユビキタス空間 / モバイル空間 / 状況認識 |
Research Abstract |
本研究は、モバイル・ユビキタスネットワーク上に、一人一人の多様性に適合した情報環境を実現するための基盤技術の確立をめざすものである。 本年は5年計画の初年度にあたり、複合感性の計測技術の高度化等に着手した。以下の感性情報学的なアプローチ(a〜c)とロボティクス的なアプローチ(d)の各課題を相互に関連付けながら進めた。 (a)複合感性による知覚過程の多様性の研究: 聴覚に関しては、視覚感性のモデル化の知見を応用して、周波数帯・時間区間間での刺激強度のコントラストに基づく特徴記述と、相互抑制的なフィルタリング・学習の概念に基づく、音楽の類似検索、音楽の印象推定のアルゴリズムを開発した。また、視覚・聴覚・嗅覚の複合的な刺激に対しては、被験者の筋電や呼吸による生理的な状態の計測、被験者による主観的な印象語表現の対応関係を調べるための実験を実施し、生理的状態と印象語表現が必ずしも一致しない場合があるという知見を得た。 (b)状況の主観的認識過程の多様性の研究: GPS・加速度・脈拍センサー等、人間の物理的・生理的な状態を計測するセンサー類により、人間の物理的・生理的な状況とその変化を収集・記録する実験システムを構築した。また、そのログに基づいて、人間の主観的な状態を推定するアルゴリズムの開発に着手した。 (c)対象世界に関する知識体系の多様性の研究: 試作した多感覚感性のイメージ語データベースを主観的な状況・複合感性の観点から再構成し、オントロジー開発に着手した。 (d)個人特性のロボティクス的な観測・モデル化技術の研究: コミュニケーションロボットが人間に能動的に働きかける情報提示方式を実装し、能動的な働き掛けが、人間の意思決定にどのように影響するかの観察・計測を行った。その結果、例えば、商品についての理解や機能についての主観評価が統計的に有意に影響を受けるという知見を得た。
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Research Products
(10 results)