2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞多様化と神経回路組織化をもたらす分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
19100006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 健 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10241241)
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Keywords | カドヘリン / 神経細胞 / 多様性 / 神経回路 / 遺伝子制御 / セロトニン / 脳機能 / 遺伝子クラスター |
Research Abstract |
本研究では脳の多様化分子群であるCNR/プロトカドヘリン分子群に注目し、1)個々の神経細胞の多様化をもたらす分子メカニズムの解析、2)神経回路形成の分子メカニズムの解析より、神経細胞の多様性と神経回路形成を統合的に捉える分子メカニズムの解析を行っている。本年度は、CNIVプロトカドヘリン遺伝子クラスターのα、γのみでなくβ遺伝子クラスターについても個々の神経細胞でのランダムな組み合わせの発現が認められることを明らかにし、α、β、γ遺伝子クラスターがそれぞれ独立した遺伝子制御機構を持っていることを明らかにした(Hirano et al 2012)。また、CNR/プロトカドヘリンα遺伝子クラスターの下流にあるHS5-1領域がα遺伝子クラスターのランダムな発現制御に関わっていることを明らかにし、β遺伝子クラスターのランダムな発現制御に関わるシス領域の同定に成功した(Yokota et al 2011)。 更に、染色体構造を制御するCTCFが分化した神経細胞におけるCNR/プロトカドヘリン遺伝子のランダムな発現制御に必須であることを明らかにし、このCTCF欠損マウスの大脳皮質では体性感覚野で認められるバレル構造が完全に消失してしまうことを明らかにし、CNIVプロトカドヘリンのランダムな発現と機能的な神経回路形成との関連性についての興味深い結果となっている(Hirayama et al 2012)。
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Research Products
(37 results)