2008 Fiscal Year Annual Research Report
メチル水銀毒性の発現とその調節に関わる細胞内機構の解明
Project/Area Number |
19101003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 章 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久下 周佐 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (50186376)
黄 基旭 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (00344680)
高橋 勉 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (00400474)
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Keywords | メチル水銀 / 毒性発現調節 / ユビキチン・プロテアソームシステム / 脱ユビキチン化酵素 |
Research Abstract |
昨年度、ユビキチン転移酵素(E2)の中でメチル水銀毒性に関与する分子種を検索し、Ubc1, Cdc34, Ubc4, Ubc5, Ubc11(Aグループ)の高発現およびUbc2, Ubc13(Bグループ)の欠損がそれぞれ酵母にメチル水銀耐性を与えることを明らかにした。A5種はK48にユビキチンを連結して基質蛋白質の分解を促進し、B2種はK63にユビキチンを連結するが基質蛋白質の分解には関与しないことが分かっている。本年度はこれらE2について遺伝学的解析をした結果、Ubc2とUbc13は共にCdc34またはUbc4の機能に関連してメチル水銀毒性を増強する可能性が示された。また、我々はメチル水銀毒性増強蛋白質としてWhi2を見出しているが、AグループのE2はWhi2の細胞内レベルを低下させ、BグループのE2は逆に上昇させることが判明し、BグループがAグループの機能を負に制御することによってメチル水銀毒性を増強することが示唆された。さらに、前年度実施したスクリーニングによって同定されたヒトのメチル水銀毒性関連因子の中で、ヒトE2の1種であるUBE2B(酵母Ubc2のホモログ)およびUBE2WがノックダウンによってHEK293細胞に特に顕著なメチル水銀高感受性を与えることが明らかとなった。一方、ユビキチンリガーゼの一種であるF-bOX蛋白質の中でメチル水銀毒性に関連する分子種を検索したところ、既に我々が同定しているHrt3およびYlr224wに加えてYmr258cが同定された。Ymr258cはF-boxドメイン類似構造を有する蛋白質であるが、本蛋白質がF-box蛋白質として機能することによってメチル水銀毒性の軽減に関与することも確認された。今後さらに詳細な検討を行うことよって、ユビキチン・プロテアソームシステムによるメチル水銀毒性調節機構が解明されるものと期待される。
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Research Products
(10 results)