2010 Fiscal Year Annual Research Report
メチル水銀毒性の発現とその調節に関わる細胞内機構の解明
Project/Area Number |
19101003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 章 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 基旭 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (00344680)
高橋 勉 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (00400474)
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Keywords | メチル水銀 / 毒性発現調節 / ユビキチン・プロテアソームシステム / 脱ユビキチン化酵素 |
Research Abstract |
メチル水銀毒性を軽減し、かつ、ユビキチン・プロテアソームシステムによって分解される酵母蛋白質として我々が同定した脱N-グリコシル化酵素Png1は小胞体での蛋白質分解に関与することが知られているが、このPng1がメチル水銀によって誘発される小胞体ストレスを抑制することによってメチル水銀毒性を軽減している可能性が示唆された。また昨年度我々は、メチル水銀毒性を軽減し、かつ、メチル水銀によってユビキチン化が促進される蛋白質としてSis1を同定したが、本年度の検討により、リニアポリユビキチンUbi4が単体のユビキチンにプロセシングされることなくリニアポリユビキチンとしてSis1のユビキチン化に関与することが示唆された。プロセシングを受けていないUbi4のレベルが増加すると酵母の増殖が抑制され、リニアポリユビキチン蛋白質としてのUbi4のレベルがメチル水銀濃度依存的に増加することも判明し、メチル水銀毒性の発現にUbi4レベルの上昇が関与する可能性が示唆された。また、ヒトのリニアポリユビキチンであるUBBおよびUBCの発現抑制がそれぞれ細胞に高いメチル水銀耐性を与えることが明らかとなった。さらに、機能未知蛋白質TEX27の発現抑制も細胞に高いメチル水銀感受性を与えることが判明し、TEX27がUBBまたはUBCと同一の経路でメチル水銀毒性の軽減に関与している可能性が示唆された。TEX27はその構造中にZn-fingerドメインを有しているが、メチル水銀処理によってTEX27が核へ移行することが明らかとなったことからTEX27は核中でメチル水銀毒性軽減に関与していると考えられる。
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Research Products
(22 results)