2009 Fiscal Year Annual Research Report
低加速ナノプローブで電子励起したナノ構造からの放射光角度分解分光観測
Project/Area Number |
19101004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高柳 邦夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (80016162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90108184)
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Keywords | 収差補正 / 電子顕微鏡 / ナノプローブ / ルミネッセンス / 表面プラズモン |
Research Abstract |
前年度に、集光ミラーを挿入した状態で高い空間分解能で試料観察できるTEM装置、およびTEM内試料からの発光を検出する光学系を完成させたので、本年度はこの装置を使い次の研究に応用した。 (1)金属微粒子の局在表面プラズモン(LSP)の研究 (2)金属表面における表面プラズモンポラリトン(SPP)の伝播と表面ナノ構造を介したSPP-光変換の研究 (1)では、銀の微粒子を薄膜上、基板上またはナノワイヤー上に蒸着し、加速電圧200kVの電子線励起発光スペクトルを個々の微粒子について測定した。主として数10nm以上の径の微粒子に対し、LSPの共鳴エネルギーや放射の角度分布が微粒子のサイズによりどのように変わるかを調べた。(2)では電子ビームで金属表面上にSPPを励起し、SPPが伝播する過程で表面ナノ構造により発生する光の電子ビーム位置および放射角度に依存した発光スペクトルを観測した。(1)表面ステップでは放射角度を選択したビーム走査スペクトル像に現れる干渉縞の解析からSPPの分散関係が得られることが分かった。(2)矩形形状をもつ1次元プラズモニック結晶では、偏光と放射方向を指定した角度分解スペクトル像から、SPPの分散関係を直接導くことができた。また、ギャップ位置に放射方向を固定したビーム走査スペクトル像から、プラズモニック結晶内のバンド端SPP定在波を可視化でき、伝播SPPを光に変換する過程が解析できることを明らかにした。バンドギャップの大きさは矩形のテラス幅により変化し、表面形状関数のフーリエ係数により決定されることが分かった。 また、次年度における加速電圧80kVでのカソードルミネッセンス測定の実験のために、CL用低温TEMホルダーの整備を行った。
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Research Products
(8 results)