2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19104007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樽茶 清悟 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (40302799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岩 顕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10321902)
山本 倫久 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (00376493)
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Keywords | 量子ドット / 電子スピン共鳴 / 量子ビット / InAs自己形成量子ドット / 近藤効果 / 超伝導電流 / コヒーレンズ / 量子細線 |
Research Abstract |
1.単一スピンの量子コヒーレンス (1)単一電子スピン共鳴用の傾斜磁場発生法を検討し、強磁性薄膜により所望の磁場勾配が得られることを計算機シミュレーション、Stern-Gerlach実験などにより確認した。微小強磁性薄膜を備えた2重量子ドットを作成し、必要なマイクロ波印加、スピン検出などの条件を確認した。 (2)動的核スピン偏極の電圧制御法を確立し、40-50%の偏極率(世界最大)を達成した。核スピン揺らぎの抑制について1重項-3重項共鳴の近傍に適当な領域があることを指摘した。 2.近藤コヒーレンスと超伝導・強磁性の競合 (1)InAs量子ドットのスピン軌道相互作用(SOI):Au電極と弱く結合したInAsドットを作製し、磁場下での基底状態遷移点の励起状スペクトルに現れる反交差を観測し、同系で初めてSOIの大きさ(〜100meV)を求めた。 (2)超伝導電流の観測:自己形成ドットで初めて超伝導電流を観測した。これは当初計画よりも大幅に早い達成てある。また臨界電流が、ゲート電圧つまり伝導度に依存して増減することを明らかにした。特に奇数電子領域ではπ接合となっていることを示す結果も得た。 (3)強磁性と近藤効果の競合:Niを電極とするInAsドット試料を作製し、近藤効果を調べた。しかし、まずNi電極からの漏れ磁場などの問題を改善する必要があることが分かったので、来年度は試料と電極界面の改善を再検討する。 3.観測による量子コヒーレンスの破れ: (1)電荷コヒーレンス制御:結合量子細線において電荷のコヒーレント振動(細線間を行き来する運動)の確認に成功した。しかし、振動周期より短い時間内では、観測に用いるクーロンドラッグの効果が弱すぎることがわかったので、新たな観測法としてABリングと結合量子細線の結合系を提案した。 (2)スピンコヒーレンス制御:ドット中の近藤状態の形成とドット中の電荷検出ができる試料構造を設計し、作成した。
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Research Products
(36 results)