2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19104008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 英典 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40187935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 知弘 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (40435657)
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Keywords | 強相関エレクトロニクス / 遷移金属酸化物 / 表面・界面物性 / 酸化物トランジスタ / 抵抗変化メモリ / 超伝導 / スピン軌道相互作用 / 二次元電子系 |
Research Abstract |
本研究では、近年急速に開発が進んでいる酸化物電界誘起相変化デバイス-酸化物トランジスタや不揮発性抵抗変化メモリー-の背景にある基礎学理の解明および酸化物デバイスの特長を体現する新規物性の開拓を目的とする。H21年度の研究成果は以下の通りである。 1.遷移金属酸化物・カルコゲナイドFETの構築 パリレンをゲート絶縁膜とした酸化物トランジスタを作製し、極低温物性の開拓を進めた。SrTiO_3トランジスタでは極低温で電界誘起絶縁体・超伝導転移を実現した。このトランジスタ技術を層状遷移金属カルコゲナイドに展開することで、MoS_2やWSe_2トランジスタの金属-絶縁体転移を観測した。 2.抵抗変化メモリのスケールダウン・省電力化 これまでの研究から遷移金属酸化物の抵抗スイッチング現象は、その起源が酸化物中に形成される導電性フィラメントパスであることがわかってきた。そこで電極構造を工夫することによって伝導フィラメントの位置を制御し、デバイスのスケールダウンに成功した。同時に省電力化が実現されることを確認した。 3.新規イリジウム酸化物Ir_2O_4の合成 スピン軌道相互作用は電界(磁界)によるスピン(電流)制御を可能とする、次世代デバイス開発の重要なファクターである。界面、電界下での強いスピン軌道相互作用に着目し、重い5d遷移金属酸化物のデバイス開発・新物質探索を行った。H21年度は新規イリジウム酸化物Ir_2O_4の合成に成功した。この物質はAサイトが完全に欠損したスピネル構造を形成する。ルチル型IrO_2とは異なり、絶縁体的挙動を示した。
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Research Products
(21 results)