2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19104009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 克哉 Osaka University, 極限量子科学研究センター, 教授 (70283736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 泰生 (財)高輝度光科学研究センター, 利用促進部門I, 主幹研究員 (20344400)
加賀山 朋子 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 准教授 (40274675)
長柄 一誠 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10135676)
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Keywords | 圧力誘起超伝導 / 超高圧 / 元素 / 軽金属 / X線構造解析 / 分子動力学 |
Research Abstract |
(軽金属元素の超伝導)元素の中で2番目に軽いベリリウムにも、超高圧力下での高い超伝導転移温度が期待できる。ベリリウムの超伝導転移温度は1気圧での転移温度がおよそ25ミリケルビンであり、その検出は1気圧下でも強力な冷凍機が必要であった。圧力依存性を約10万気圧まで探索したが、圧力依存性はわずかであるかまたは負であることを示唆するデータを得ることができた。 (液化ガス元素実験)寒剤充填装置は冷凍能力を予定より増強することとし4ケルビン(ヘリウムの液化温度)まで冷却可能な仕様とした。寒剤(窒素、酸素)をはじめ水素を超高圧状態まで安定して加圧保持するため、従来使用してきた窒化ホウ素のみのガスケットを変更し、食塩の混合による新しいガスケット材料の開発に成功した。 (反強磁性金属元素の超伝導探索)反強磁性体のユーロピウムの圧力誘起超超伝導を発見した。反強磁性転移温度の圧力依存性は低圧では小さく、加圧とともに電気抵抗測定での検出は困難になったが、超伝導発現後の転移温度の圧力依存性は正であることがわかった。また、αマンガンにおいて超伝導を観測には至っていないが、反強磁性転移温度の圧力依存性を検出するために微細なひずみゲージを作製しその検出を可能にした。 (圧力発生技術開発)新規に合成されたNPD(ナノ多結晶ダイヤモンド)の超高圧実験用アンビルへ応用し、200万気圧を超える圧力の発生に成功した。SPring-8のビームラインに導入した長焦点ラマンプローブによって、同時にアンビル先端部の圧力分布および変形データを取得した天然ダイヤモンドや高純度人工ダイヤモンドなどとの比較を行った。
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