2007 Fiscal Year Annual Research Report
固体惑星起源物としての非晶質珪酸塩の重要性とその初期進化
Project/Area Number |
19104012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土山 明 Osaka University, 理学研究科, 教授 (90180017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 高明 茨城大学, 理学部, 准教授 (40222195)
中村 智樹 九州大学, 理学研究院, 准教授 (20260721)
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Keywords | 非晶質珪酸塩 / カンラン石 / スメクタイト / スターダスト / 彗星塵 / エアロジェル / 揮発性物質 / SPring-8 |
Research Abstract |
太陽系初期における原材料物質としての非晶質珪酸塩の加熱結晶化実験をおこない、カンラン石の結晶化速度を定量的に求めることに始めて成功した。これをもとに、従来の結晶化実験も含めた結晶化速度を定性的に説明するモデルを提案した。また、カンラン石と非晶質珪酸塩との間のFe-Mg分配を定量的に求め、低温でもMgが選択的にカンラン石に分配されることを明らかにした。これにより、星周塵に観測されるカンラン石がなぜMgに富むのかの説明が可能となった。一方、非晶質珪酸塩の水質変成実験をおこない、炭素質隕石には普遍的に存在するにもかかわらず、結晶質珪酸塩からは特異な条件でしか生成されなかったスメクタイトが、容易に生成されることを明らかにした。 スターダスト計画により採器に残された彗星塵の超高速衝突トラックについて、放射光を用いた投射型X線マイクロトモグラフィー撮影と蛍光X線分析をSPring-8においておこない、定量的なトラックの3次元構造とトラックに沿った元素分布を求めた。これにより、突入してきた彗星塵のサイズを推定するとともに、トラック形状と彗星塵に含まれる揮発性物質(有機物あるいは氷?)の量に関係がある可能性を指摘した。(2)トラックから取り出した彗星塵粒子の破片について、放射光を用いた結像型X線マイクロトモグラフィー撮影とX線回折分析をおこない、結晶質粒子と非晶質に富む粒子があることを明らかにし、これらの3次元構造を求めた。これにより、高温で生成された鉱物粒子が彗星塵に入っていることを明らかにした。 今後は、上記のような、太陽系初期における原材料物質の変化過程についての実験をさらにおにない、またその産物である始原物質(彗星塵、宇宙塵、隕石)の分析をおこない、赤外線天文観測データも考慮して、太陽系初期における物質の進化過程を明らかにしていきたい。
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Research Products
(16 results)