2011 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカルポリマーのSOMO設計と全有機二次電池の創製
Project/Area Number |
19105003
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西出 宏之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90120930)
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Keywords | ラジカルポリマー / 電極活物質 / 有機電気化学 / 超構造 / 二次電池 |
Research Abstract |
室温大気下で安定なニトロキシドラジカル分子の電気化学的に可逆な酸化還元を、二次電池の電極反応として初めて利用し、p型およびn型活性の2種ポリマーをそれぞれ正・負極とした「全有機電池」のプロトタイプを試作し、その動作を実証している。本研究では、安定ラジカル種が関与する電子移動過程の確立を基盤として、SOMOのエネルギーレベルと不対電子の非局在化度をバランスさせる設計により、密度高く安定なレドックス席を有するラジカルポリマーを合成することを目的とする。また、物質移動過程の制御により、ポリマー内での迅速かつ大容量の電子移動過程を達成する。さらに、イオン輸送性を高めた新しい活物質の設計により、電解質および電解液の大幅な削減を可能にする。これら基礎的追究から得られる知見を総合し、「次世代有機ラジカル電池」として具体化する。平23年度の成果を以下に列挙する。 1) 電荷促進輸送系の構築 電子・イオン拡散過程の解析と電荷移動抵抗に関する平衡電位の効果に立脚し、セルフドープ型ポリマーやポリアニオンとのコンプレックスを斬新な高密度活物質として確立した。これを基に、貴な電位でのn型酸化還元に基づく高エネルギー密度のロッキングチェア型有機二次電池として動作実証し、その効果を明確にした。 2) 次世代二次電池に向けた有機電極ファブリケーション 得られた電極活物質と導電性部材との複合化の条件を最適化し、これらを総合して得られる「次世代ラジカル電池」の動作試験を実施することにより、ラジカルポリマーの設計に随時フィードバックさせた。
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Research Products
(6 results)