2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19105004
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 芳人 Nagoya University, 物質科学国際研究センター, 教授 (10201245)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 洋 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00283151)
永野 慎吾 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属化学研究室, 専任研究員 (60286440)
|
Keywords | P450 / 酸化反応 / 過酸化水素 / 水酸化反応 / エポキシ化反応 |
Research Abstract |
Bacillus Subtilis由来のシトクロムP450BSβ(P450BSβ)は、長鎖脂肪酸の水酸化反応を触媒するヘム酵素である。P450BSβは高い触媒活性と基質の位置・立体選択性に加え過酸化水素を利用するシンプルな反応系をもつことから、実用的な環境調和型の触媒として利用が期待される。しかし、P450BSβの酸化活性種の生成には、基質のカルボキシル基がヘム近傍の242位のアルギニンとの静電的相互作用によって固定化され、一般酸塩基触煤として働くことが必須であるため、基質となる分子は長鎖脂肪酸であるパルミチン酸やミリスチン酸などに限られていた。我々はこの機構に注目し、P450BSβによって水酸化されないアルキル鎖の短いカルボン酸を擬似基質として活性部位に取り込ませることで、生成した酸化活性種による多様な非天然基質を酸化する触媒システムを構築した。 具体的には、擬似基質として炭素鎖数が5〜7の直鎖状カルボン酸を用いると、カルボン酸は酸化されることなく、同時に加えた人工基質(スルフィド、オレフィン、炭化水素)の酸化反応が達成されることを見いだした。一電子酸化基質であるABTSやチオアニソールなどを基質とした場合、毎分3000回以上の酸化活性が観測された。オレフィンでも毎分数百回、エチルベンゼンで毎分約百回という酸化活性は、これまで知られているP450およびそのミュータント、さらにはクロロペルオキシダーゼに比べてもそれらを凌ぐ高い活性である。 現在、様々な構造を有する擬似基質を合成レて、反応の不斉選択性や活性との相関を検討中である。
|
-
-
-
-
-
[Journal Article] Incorporation of a Phebox Rhodium Complex into apo-Myoglobin Affords a Stable Organometallic Protein Showing Unprecedented Arrangement of the Complex in the Cavity2007
Author(s)
Y. Satake, S. Abe, S. Okazaki, N. Ban, T. Hikage, T. Ueno, H. Nakajima, A. Suzuki, T. Yamane, H. Nis-hiyama, and Y. Watanabe
-
Journal Title
Organometallics 26
Pages: 4904-4908
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-