2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19105004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 芳人 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (10201245)
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Keywords | シトクロムP450 / 酸化反応 / 過酸化水素 / 水酸化反応 / ヘム蛋白質 |
Research Abstract |
平成23年度は、過酸化水素駆動型のシトクロムP450SPαのヘム近傍に、ミューテンションによりグルタミン酸を導入すると、デコイ分子(本来の基質に構造を似せた疑似基質)を加えなくとも非天然基質の酸化反応が進行することを見出し、自己完結型の過酸化水素駆動型シトクロムP450を構築できることを明らかとした。シトクロムP450SPα変異体の結晶構造解析により、ヘム近傍へ導入したグルタミン酸が、長鎖脂肪酸が取り込まれた場合のカルボキシル基と近い配置にあることを確認した。自己完結型P450SPαは、グアイアコールの一電子酸化、スチレンのエポキシ化、エチルベンゼンの水酸化など、多様な酸化反応を触媒できることを明らかとした。ミオグロビンを基盤とする人工酵素開発では、結晶構造解析を基に設計したミオグロビン変異体が、過酸化水素を酸化剤とするインドールの芳香環の直接酸化反応を触媒できることを明らかとし、顔料のインディゴを生成できることを見出した。高度好熱菌由来の電子伝達タンパク質に関しては、シトクロムc552のヘムを、共有結合を切断するとともに有機溶媒で抽出することで取り除き、ヘムを失ったアポタンパク質を調整できる手法を確立した。さらに、中心金属の異なるプロトポルフィリンIXで再構成したのち、共有結合を再形成させることにも成功し、新たなシトクロムcの再構成法となることを示した。
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Research Products
(14 results)