2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19105006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山中 昭司 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (90081314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 秀樹 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60295467)
浴野 稔一 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40185103)
犬丸 啓 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80270891)
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Keywords | 超伝導 / 層状構造 / カゴ状構造 / 物性研究 / 高圧合成 / 核磁気共鳴 / トンネル分光 / 薄膜 |
Research Abstract |
1.La-Si二元系において,新規Siリッチ相LaSi_5およびLaSi_10を合成し,それぞれ,Tc=10.5および6.7Kで超伝導体となることを見いだした。層状窒化物TiNClへのインターカレーションを調べ,アルカリ金属は種類にかかわらずTc=16.3Kの超伝導体となることを明らかにした。有機塩基のピリジンをインターカレーションすると,Tc=8.6Kの超伝導体となり,アルカリ金属化合物とは異なる超伝導発現機構の可能性が示唆された。 2.層状窒化物Li-HfNClにおけるコインターカレーション分子のH-NMR緩和率、H-NMRシフトの測定から,磁束格子の運動に関する情報を得ることができ,磁化の不可逆温度と定量的な議論を行い、磁束状態についての知見を得た。関連物質であるFe系層状超伝導体について、FeSeについてSe-NMRを行い低温の超伝導状態においてNMR緩和率の測定から、BCS超伝導体特有のコヒーレンスピークが見えないこと、緩和率の温度依存性がT^3に従っていることを明らかにし、異方的超伝導の可能性を指摘した。 3.ハニカム状面内原子配列をもつβ型HfNCl_0.7(T_c=24K)のSTM測定により、鮮明なHf原子像の観測に初めて成功した。面内100nm^2程度の領域で電子状態が均-であり,結晶中でほぼ一定の超伝導ギャップ比2△/k_BT_c=8-10を示すことを見いだした。この値は銅酸化物超伝導体に匹敵する点で,特筆できる。 4.30K級の超伝導体Ba_<1-x>K_xBiO_3の薄膜を合成し、基板の効果で物性制御することを試みた。母構造BaBiO_3をMgO,SrTiO_3基板上にエピタキシャル合成し、基板の束縛を受け単斜晶への転移が抑えられた薄膜の合成に成功した。この薄膜は絶縁体であり、格子の構造歪みを抑えてもBi価数の不均化による絶縁化は抑えられないことがわかった。
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Research Products
(48 results)