2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19105006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山中 昭司 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (90081314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 秀樹 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60295467)
浴野 稔一 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40185103)
犬丸 啓 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80270891)
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Keywords | 超伝導 / 層状構造 / カゴ状構造 / 物性研究 / 高圧合成 / 核磁気共鳴 / トンネル分光 / 薄膜 |
Research Abstract |
1. 層状窒化物TiNClに種々のアルキルアミンをインターカレーションし,超伝導特性を調べた。n-アルキルモノアミンは層間にインターカレーションするが,超伝導体にはならなかった。n-アルキルジアミン(NH_2-(CH_2)_n-NH_2)(n=3-12)はn=3, 7を除いて,超伝導体となった。アルキル鎖長が長い方が臨界温度(T_c)が高い傾向があり,T_c=16.3Kの複合体が得られている。炭素数nが偶数のジアミンを用いた場合に超伝導分率が高くなる傾向が認められた。 2. 層状窒化物超伝導体MNCl(M=Zr, Hf)では、超伝導磁化における不可逆温度との関連について調べ、磁化に見られる不可逆温度がパンケーキ型磁束から磁束ガラス状態への転移によるものであることを微視的な観点から明らかにし、この系の超伝導が2次元的な超伝導であることを明らかにした。また、同じ層状超伝導体でFe系超伝導体の比較研究も行い、鉄系超伝導体では反強磁性相関が超伝導に関与していることを明らかにした。 3. 走査トンネル顕微鏡(STM/STS)により、・型TiNClと・型HfNCl, ZrNClの表面原子配列の様子を明らかにし、超伝導電子状態に顕著な違いを見いだした.これより、・型では不規則なK原子分布や擬一次元結晶構造による電子状態の不均一形成が考えられ、・型では面内三角格子構造による均質な電子状態が実現されている可能性を指摘した。また、電子対の結合エネルギーがBCS理論値の約3倍以上であり超伝導機構が従来のものと異なることを明確に示した。 4. 共有結合ネットワークからなる六方晶窒化ホウ素(h-BN)薄膜へのアルカリ土類金属イオンドープを試みた。PLD法により、BNにCaをドープした薄膜の合成に成功した。この薄膜はh-BNと同様の短距離秩序を有し、かつエネルギーギャップがバルクより減少していることが分かった。
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Research Products
(51 results)