2009 Fiscal Year Annual Research Report
周波数検出型AFMに基づく大気・液中ナノ空間相関計測・制御法の開発
Project/Area Number |
19106001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 啓文 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (40283626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 圭 京都大学, 産官学連携センター, 助教 (40335211)
平田 芳樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (10357858)
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Keywords | FM-AFM / マルチAFMプローブ技術 / KFM / 振動散逸エネルギー / 有機分子薄膜 / ナノ刺激応答 / 液中高分解能イメージング / 生体分子イメージング |
Research Abstract |
本年度は、カンチレバー直上からレーザ光を、光学顕微鏡用対物レンズを通して照射する直上入射光てこ法を採用することで、多環境動作マルチプローブAFMを開発した。カンチレバー・試料走査駆動系を、カンチレバー変位検出のための光学系部より分離してチェンバー内に設置することが可能となった。対物レンズは、カンチレバー・試料の観察・位置合わせとともに、光てこ法のためのレーザ光の集光レンズの役割を担っている。本装置により、真空環境でのペンタセン薄膜、超純水中でのAu(111)単結晶表面のAFM観察に成功した。 本装置を用いて、ポリジアセチレン結晶(poly-PTS : polydiacetylene para-toluene sulfonate)における電気伝導率の異方性を評価した。poly-PTSのへき開面(bc面)に片方のプローブ(Probe-1)をコンタクトさせ、結晶裏面に対して電圧を印加すると同時に、もう一方のプローブ(Probe-2)によりケルビンプローブ表面力顕微鏡法(KFM)により表面電位を測定した。測定結果は、ジアセチレン主鎖方向に平行に、電圧印加点から伸びる輝線を示し、Probe-1から注入された電荷がジアセチレン主鎖方向へ特異的に伝導していることが直接的に示された。 AFMによる生体分子機能計測の実現に向け、基板上に、センサータンパク質を埋め込んだ脂質二重膜を堆積・固定化するための手法を開発した。シリコン表面をシラン化修飾剤で修飾しカルボキシル基が露出した表面とし、これに脂質膜に潜り込む事の可能な脂溶性のアンカー型リンカーを結合させた。さらにフォスファチジルコリンを主成分とする天然型脂質よりなるリポソームを表面で融合させる事により脂質2分子膜の層を形成した。
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Research Products
(21 results)