2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロレベルの革新的熱物性センシングとその応用
Project/Area Number |
19106004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長坂 雄次 Keio University, 理工学部, 教授 (40129573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70261196)
田口 良広 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (30433741)
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Keywords | 熱物性センシング / 高空間・時間分解能 / レーザー計測技術 / マイクロ・ナノスケール熱工学 / 熱・物質移動 |
Research Abstract |
平成19年度は以下に挙げる要素技術の開発を行い、具体的な成果を得た。 1.近接場蛍光熱顕微鏡の開発:試料にナノレベルで分子修飾あるいは分散させた蛍光粒子を近接場プローブで励起検出することで温度分布を光の回折限界を超えた高い空間分解能で測定する要素技術を構築した。 (1)安定化CWレーザーを用いた微弱な近接場蛍光を高感度に検出するシステムを構築し、近接場領域の蛍光寿命を測定する技術を構築した。ナノ蛍光粒子の蛍光寿命-温度依存性を明らかにした。 (2)ナノスケール温度分布の計測ツールとして、近接場光学顕微鏡プローブを用いた蛍光相関分光法の開発に着手した。100〜200nmの開口プローブにて十分なSN比を確保し、直径20〜100nmの蛍光ビーズを用いたデモ測定に成功した。また通常の光学顕微鏡ベースの蛍光相関分光法の応用として、加熱金粒子近傍の温度分布マッピングを試みた。 2.フォトサーマル赤外検知法の開発:試料を高速に周期加熱することによって、ナノ・マイクロレベルの固-固界面における温度波干渉を直接観察し、ナノ機能性材料の熱伝導率、温度伝導率、界面熱抵抗をセンシングする要素技術を構築した。 (1)高速周期変調レーザーを用いた周期加熱システムを構築し、薄膜の熱物性測定が可能となった。 (2)SWNT-PMMA複合材料およびBi2Te3の測定を行い、システムの妥当性を確認した。 3.リプロン表面光散乱法の開発:気-液界面に存在する分子の熱揺らぎに起因した微細な表面波(リプロン)を高感度に測定することで、表面粘弾性質を高精度に測定可能な分子振動センシング技術を構築した。 (1)高出力レーザーと高精度スキャンシステムによるリプロン波長スイープ技術を構築し、3〜500μmの広範なリプロン波長を選択することが可能となった。 (2)混合状態変化および分子吸着による表面粘弾性質変化を検出することに成功した。
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Research Products
(26 results)