2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロレベルの革新的熱物性センシングとその応用
Project/Area Number |
19106004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長坂 雄次 Keio University, 理工学部, 教授 (40129573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70261196)
田口 良広 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (30433741)
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Keywords | 熱物性センシング / 高空間・時間分解能 / レーザー計測技術 / マイクロ・ナノスケール熱工学 / 熱・物質移動 |
Research Abstract |
平成21年度は前年度に開発した要素技術の更なる高度化を目指し、以下に挙げる具体的な研究実績を得るに至った。 1)近接場光学熱物性顕微鏡の開発 (1)ナノスケール固液界面における拡散現象を観測する手段として,近接場光学プローブを用いた蛍光相関分光法を開発した。界面近傍での拡散の異方性を含め,実験状況を忠実に再現した計算機シミュレーション(FDTD法+モンテカルロ法)と対比することにより,界面相互作用に起因する信号成分を測定データから抽出することに成功した。また,ナノ粒子の回転拡散運動に着目し,粒子形状や局所粘性を高速に測定する単一ナノ粒子偏光分光法,ならびにフォトサーマル効果と偏光検出を組み合わせた高感度ナノ粒子検出法を開発した。 (2)近接場光を用いた自己組織化単分子膜(SAM)のナノスケール熱的パターニング技術を先駆けて開発し,非接触に大面積かつ加工中のSAM汚染が無い光学的ナノ構造制御基盤技術を確立した。 2)フォトサーマル赤外検知法の開発 (1)イットリウム系超伝導体(YBCO)を用いた薄膜線材におけるクエンチの3次元モデル解析において必要不可欠な熱伝導率および温度伝導率の測定を行い,YBCOの薄膜化に伴うフォノン散乱が熱伝導率ならびに温度伝導率の低下の原因になる可能性があることを示した。 3)レーザー誘起表面波法 (1)微細加工技術を用いた革新的マイクロ拡散センサーの開発に成功した。数mm角のチップ内に,数μm程度の干渉縞間隔で濃度分布を励起するシステムを集積化し,高速な拡散係数モニタリング技術を開発することに成功した。 4)リプロン表面光散乱法 (1)加圧溶解法によって発生させた酸素ナノバブルの表面物性値の経時変化を測定することに初めて成功した。酸素ナノバブル含有水は,ナノバブル発生前と比較して時間経過に伴い表面張力の減少ならびに粘性率の増加傾向を示すことを明らかにした。
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Research Products
(40 results)