2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロレベルの革新的熱物性センシングとその応用
Project/Area Number |
19106004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長坂 雄次 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40129573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70261196)
田口 良広 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (30433741)
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Keywords | 熱物性センシング / 高時空間分解能 / レーザー計測技術 / マイクロ・ナノスケール熱工学 / 熱・物質移動 |
Research Abstract |
最終年度にあたる平成23年度は、これまでに開発してきた革新的ナノ・マイクロレベル熱物性センシング技術を統合し、以下に示すマルチプロパティセンシングによる応用実証を行った。 (1)超高感度近接場蛍光熱顕微鏡の開発に成功し、ナノスケールでの定量的な温度センシングが実現した。また、新しく提案した超高感度近接場ファイバープローブを用いた熱的ナノスケールパターニング手法を開発し、その適用性を解析的・実験的に明らかにした。 (2)ナノバブル含有水のマルチプロパティセンシングを行い、ナノバブル存在下での熱物性変化をセンシングすることに成功した。また、STED顕微鏡を用いたナノバブル直接観察を世界で初めて実現し、提案したナノレベルセンシング手法の妥当性を明らかにした。 (3)光MEMS技術とナノ・マイクロ熱物性センシング技術を融合した革新的熱物性センシング手法を確立した。 更にDNAアッセイへの応用を視野に入れ、液中偏光計測による単一金ナノ粒子とのその複合体の識別測定を継続しておこなった。試料に関しては、作製条件の最適化により単体、二量体、三量体の作り分けの精度が向上した。実時間偏光信号の自己相関解析により、回転拡散時間の推定をおこなった。従来の光学異方性のみによる識別に対して、回転拡散時間を新たな指標として追加することにより、より明確な識別が可能となった。また、金粒子のサイズとして、直径40nmと60nmを比較し、信号強度の点で有利な60nmの方がより実用に適しているという結論を得た。さらに、抗原・抗体反応による二量体作製をおこない、光学異方性と回転拡散時間に対する二粒子間距離の影響を調べ、抗原センシングへの応用の可能性について議論をおこなった。 以上より、開発したセンシングシステムの多用な応用実証により、包括的なナノレベル熱・物質・運動量輸送性質に関する基盤体系を確立するに至った。
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Research Products
(65 results)