2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメートル誘電体薄膜の電子物性の理解と制御の研究
Project/Area Number |
19106005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (50323530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00343145)
西村 知紀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 技術職員 (10396781)
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Keywords | Si-doped HfO2 / HfLaOx / 界面ダイポール / Higher-k膜 / Ge / Fermi-level Pinning |
Research Abstract |
極薄高誘電率絶縁膜に関して,今年度は基礎的な部分をもう一度見直すことによって多くの結果を得ることが出来た。大きく分けて,(1)Si上の誘電薄膜の高誘電膜物性,(2)Ge上の絶縁膜に関する研究、に関して新しい事実を見つけることができた。 (1)大きくは二点の進展があった。HfLaOx/SiO2系に関して2006年度に我々の研究室が初めて見いだした絶縁膜界面のダイポールの存在の詳細解析を進めたこと,SiドープしかHfO2が純粋HfO2よりも高誘電率になるという点の二点である。前者に関して,ダイポールの大きさのLa濃度依存性を詳細に得られたこと、およびSiN中では異なる振る舞いを示すことである。これらの事実から,世界中におけるHigh-k MOSにおけるフラットバンド電圧の異常に関する理解がダイポールによるという方向に大きくシフトしてきた。後者に関しては,SiドープによるHfO2の高誘電率化か(SiO4)4-という錯イオンが(HfO4)4-と置き換わることによって,正方晶の安定化をもたらしているという新しいモデルを提案したことである。 (2)に関しては,まずはGe/GeO2系の安定化に関して詳細な描像を示すことができたこと,及びGe上の高誘電率膜としてLaYO3とLaLuO3という二種類の希土類高誘心率膜を提案,実証できたことである。さらにGe上で明瞭に観測される金属のFermi-level Pinningに関して,極薄絶縁膜を挿入する事によって,このPinning位置をシフトさせることができることを実験的に示すことが出来た。 以上の結果は,高誘電率膜をSiあるいはGe上に使っていく上での基本的な現象であるとともにすべての項目において新しい発見に基づいている。今後はこれらに対して微視的描像を詰めるとともに,Higher-k膜形成の指導原理を構築すべきすすめていく。
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Research Products
(41 results)