2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメートル誘電体薄膜の電子物性の理解と制御の研究
Project/Area Number |
19106005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50323530)
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Keywords | 界面ダイポール / XPS / 構造相転移 / Higher-k膜 / GeO2 / Fermi-level Pinning |
Research Abstract |
今年度はHigh-k絶縁膜に関する本基盤研究の最終年度として大きな進捗があった。以下にそれを列記する. 1)Higher-k膜の安定化に対する指針:現在、主流の絶縁膜として使われているHfO2膜の構造相転移をうまく制御することによって、より誘電率の高い対称性のよいHfO2膜の室温安定性に関して速度論的な定式化を進め、さらに安定化た寄与するプロセス条件の具体化に関して大きく進歩した。速度論的定式化に関しては、いわゆるJMA則(Johnson-Mehl-Avrami)則に従っていることを発見し、速度パラメータを決めることができた。さらにプロセス的には、酸素の存在は転移を促すことを突き止めた。 2)High-k/SiO2膜界面に存在を提案してきたダイポールに関してさらに決定的な実験結果を得ることができた。上記のダイポールモデルを提唱した時からコメントされてきたことであるが、SiO2/HfO2/SiO2構造を作ったときには、上下でダイポールが打ち消し合って、実験的には見えなくなるのではないだろうかということである。実験的にはこれが再現されていないこともあり、モデル化に関してやや疑う部分があった。今回レーザーアブレーション法で製膜した上記三層スタックにおいて、きわめて明瞭にダイポールの打ち消し効果を実証することができた。このことはHigh-kゲートスタックのしきい値制御の物理的根拠を与えるものであり、きわめて意義が大きい。 3)Ge基板上のHigh-kゲートスタックの低EOT化をきわめて新しい手法によって実現する手法を見いだした。界面におけるアニール時の熱力学、速度論的制御を目指した基本的な方法である。 4)各種High-k膜のバンド構造に関する実験的決定に関して、さらに一般化を進めて10種類の材料に関してほぼバンドプロファイルを定量的に決めるこどができた。
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Research Products
(14 results)