2009 Fiscal Year Annual Research Report
高密度正孔ガスを利用したダイヤモンド高出力ミリ波トランジスタ
Project/Area Number |
19106006
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川原田 洋 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90161380)
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Keywords | 電子デバイス・集積回路 / 薄膜・量子構造 / マイクロ波・ミリ波 / 表面・界面 / 半導体 / 微細プロセス技術 |
Research Abstract |
1(110)及び(111)面での高性能FET 水素終端(110)面および(111)面での高キャリア密度をソース・ドレイン・チャネルに利用したMOSFETでは800mA/mmと高いドレイン電流密度が得られた。(111)面では最大ドレイン電流密度1.2A/mm(目標値1A/mm)、最大相互コンダクタンス40mS/mm(目標値20mS/mm)とダイヤモンドでは最高、シリコンや化合物半導体の先端FETに匹敵する値を記録した。(110)での高いドレイン電流密度、相互コンダクタンスより、最高30GHzで止まりであった遮断周波数が、(110)面で45GHzまで上昇した。ダイヤモンドMOSFETでは最高値である。 2TiC極浅オーミック接合の形成 熱的に安定なオーミック接合形成に浅い(~3nm)TiC形成を行い、10-7Ωcm2台の低コンタクト抵抗を実現した。この浅い接合は半導体技術ロードマップ(ITRS2012-16)を満たすナノデバイス技術である。 3水素終端表面のショットキー障壁形成機構の解明 各種金属でショットキー障壁の精密測定を初めて実施した。この結果を基に界面双極子、負性電子親和力、界面電荷の影響を定量的考慮した金属誘起準位モデルにて、金属/水素終端ダイヤモンド界面の障壁が説明された。金属半導体FETやMOSFETの性能向上に重要な指針となる。 4高濃度ボロンドープ層での超伝導を利用したSNS型ジョセフソン接合 超伝導層/非超伝導層/超伝導層(SNS)を縦型あるいはプレーナ構造で形成し、ダイヤモンドジョセフソン接合に世界で初めて成功した。3層全て同一物質のホモ接合で形成したジョセフソン接合は例がなく、プレーナ構造では臨界電流ICと常伝導接合抵抗RNの積(ICRN積,16mV@2K)が高く、特性振動数(2eICRN/h)に反映され、テラヘルツ帯での応答が期待される。
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