2010 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体とシリコンのモノリシック集積による光マイクロシステムの研究
Project/Area Number |
19106007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 芳仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50396545)
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Keywords | MEMS / 窒化物半導体 / マイクロマシニング / 光集積デバイス / シリコンデバイス |
Research Abstract |
MOCVDにより製作したSi基板上GaN-LED構造を用いて,GaN-Si複合MEMSを試作した.具体的には,GaN光源搭載の光スキャナー,バイオ蛍光分析用チップ,周期可変格子発光素子の実現に向けて試作を行った.MOCVDで試作したGaN-LEDにNi/Au等の電極パターンを形成し,ダイオード特性および発光特性を測定した.ダイオード特性が得られ,発光も確認できた.導入した電極形成用スパッタ装置により,GaNの発光デバイスの実現に必要な電極のコンタクトが十分に得られていることを確認した.設計したGaN-LEDとMEMSくし型アクチュエータを融合した光スキャナー構造を試作した.Si部のアクチュエータの加工により,GaN発光ダイオードの劣化がほとんど見られないことを確認できた.これにより,LEDの発光とSiアクチュエータの同時駆動を集積型光スキャナーにおいて確認できた.バイオ蛍光分析チップでは,SiフォトダイオードをSiウエハ上に形成し,PDMSの流路をSiモールドプロセスにより形成できた.GaN-LEDのSi基板を加工して,設計どおりに基板方向への光取り出しを実現できた.さらにSi受光素子,マイクロ流路,GaN-LED光源の集積化を行った.試作した集積デバイスより,流路を流れる蛍光色素をGaN光源で励起し,その蛍光を試作したSiフォトダイオードで検出できた.周期可変の量子井戸を備えたGaN格子を実現するため,GaNで製作したマイクロアクチュエータをMEMS加工により実現した.極微細なGaN量子井戸構造においては,エッチング加工による失活が生じることが明らかになり,今後検討が必要である.しかし研究全体としては,性能のよいGaN-LEDのウエハを利用することで,提案の主要部分を実現することができたと考えられる.
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Research Products
(5 results)