2009 Fiscal Year Annual Research Report
新機能Co基合金―その相安定性と工業材料への展開―
Project/Area Number |
19106012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 清仁 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20151368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 郁雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20250714)
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Keywords | 新機能材料 / 状態図 / 耐熱合金 / 磁気記録媒体 / 生体材料 / 熱力学データベース |
Research Abstract |
本研究では、Co基合金の熱力学・状態図データベース構築とそれに基づく耐熱材料・磁性材料・生体材料の開発を目的として行い、本年度の研究実績概要は以下の通りである。 Co基合金状態図データベースの構築のために、Co側からNi側までの広い組成範囲におけるCo-Al-W-Ni-Cr5元系状態図を実験的に決定した。さらに、γ/γ'組織の組成依存性を明らかにし、立方体状から球状までの形態変化が観察された。これは両相間の格子定数差で説明することができる。また、Co-Al-W系合金にBを添加することで粒界延性が改善されることがわかり、室温の破壊形態が粒界破壊から延性破壊へと変化することが確認できた。さらに、700℃以上の高温域において、B無添加材では延性が著しく低下する現象が見られたが、Bを添加することで十分な延性を確保できることも判明した。 磁気記録媒体として注目されるCo-W合金薄膜について磁気特性の評価を行ったところ、磁気異方性Kuは、磁気層膜厚の減少と伴に増加することがわかった。同じ膜厚で、K_uが磁気薄膜中のWの組成につれて変化し、Wの量が増えると伴に減少することもわかった。特に、膜厚10nm以下のCo_<100-x>W_x(x〓10at.%)薄膜に対して、4x10^6erg/cc以上の高いK_u値が得られた。 生体用ポーラス材料の研究としてCo-Al合金のγ/β層状組織に及ぼすNiの影響を調査した。Niは第2相体積分率を変化させ、結果としてポア形状が微細になることが分かった。また、Niは延性を向上させるのに有効であることが明らかになった。研磨条件を検討することで、2元系と同等レベルのポーラス層厚さを得ることができた。
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Research Products
(20 results)