2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19106013
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
連川 貞弘 Kumamoto University, 工学部, 特任教授 (40227484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粉川 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10133050)
西田 稔 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (90183540)
井 誠一郎 崇城大学, 工学部, 助教 (60435146)
YARDLEY Victoria 東北大学, 大学院・工学研究科, COEフェロー (60431532)
松崎 隆 東北大学, 大学院・工学研究科, 技術職員 (30422091)
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Keywords | 磁場 / 拡散 / 粒界 / 粒界エネルギー / 粒界偏析 / 粒界移動 / 磁性 |
Research Abstract |
本研究は、『材料磁気科学』の基礎を確立し学問体系を構築するとともに、"磁場効果・磁場機能"を実用材料技術へ応用展開するための先導的研究を行うことを目的としている。当該年度は、材料磁気科学の基礎に関する以下の実験研究を行った。 1.磁場作用下における固体内の拡散:α鉄中の炭素の拡散に対する磁場の影響について検討した。6Tの磁場の印加により、炭素の拡散係数が約80%小さくなることが明らかとなった。また,炭素の拡散に対する磁場効果は磁場強度に対して指数関数的に減少していくことが見出された。さらに、α鉄に対する炭素の固溶度が6Tの磁場作用下では約2倍になることが明らかにされた。 2.粒界エネルギーに対する磁場の影響 (1)純鉄の粒界エネルギーの温度依存性:純度99.99%の純鉄の粒界エネルギーが無磁場下では正の温度依存性を示すのに対して、6Tの磁場作用下では逆に負の温度依存性を示した。また、磁場作用下では、粒界エネルギーがキュリー温度において不連続に変化することが見出された。 (2)Fe-Sn合金の粒界エネルギーの方位差依存性:磁場の印加によりFe-Sn合金の粒界エネルギーが高くなり、相対方位差依存性が顕著になることが明らかとなった。TEM/EDS分析の結果、磁場印加による粒界エネルギーの上昇は磁場印加によりSnの粒界偏析が抑制されたためであることが示唆された。 3.Fe-Si合金双結晶の粒界移動:方位制御したFe-3mass%Si合金双結晶の粒界移動に対する磁場作用の影響を検討した。磁場印加により、粒界移動速度が速くなること、粒界移動速度の粒界性格依存性が小さくなることを明らかにした。
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Research Products
(23 results)