2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19106013
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
連川 貞弘 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40227484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粉川 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10133050)
西田 稔 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90183540)
井 誠一郎 物質・材料研究機構, ハイブリッド材料センター, 主任研究員 (60435146)
森園 靖浩 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70274694)
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Keywords | 磁場 / 交流磁場 / 拡散 / 表面拡散 / 粒界 / 磁気モーメント / 高炭素鋼 / セメンタイト |
Research Abstract |
本研究は,『材料磁気科学』の基礎を確立し学問体系を構築するとともに,"磁場効果・磁場機能"を実用材料技術へ応用展開するための先導的研究を行うことを目的としている.当該年度の研究成果は下記の通りである. 1.交流磁場作用下におけるα鉄中の炭素の拡散:α鉄中の炭素の拡散に及ぼす交流磁場(H=0.3T,60Hz)の影響について調査を行なった.直流磁場作用下における拡散と同様,交流磁場により炭素の拡散が抑制されることを見出した.さらに,磁場強度が直流と交流で等しい場合,交流磁場は直流磁場に比べ拡散の抑制効果が1桁以上大きいことを明らかにした. 2.直流磁場作用下における純鉄の表面拡散:粒界溝発達法を用いて純鉄の表面拡散に及ぼす直流磁場の影響について検討した.鉄中の炭素の拡散(侵入型拡散)に対する磁場効果とは逆に,6Tの磁場を印加することにより,鉄の表面拡散が促進されることを見出した.また,無磁場下において,キュリー点より40K程度低温側で表面拡散の活性化エネルギーが変化することを見出した.このことは,表面の磁気変態がバルク内部より低温で起こることを示唆している. 3.EELSを用いた粒界磁気モーメントの測定:純鉄およびFe-Sn合金についてTEM/EELS法を用いて粒界の磁気モーメントを測定した.純鉄のランダム粒界において粒界磁気モーメントが粒内よりも高くなるのに対し,Σ3対応粒界においては磁気モーメントの変化はほとんどないことを明らかにした. 4.高強度高炭素鋼のセメンタイト球状化抑制:磁場作用による炭素拡散の抑制効果を利用して,伸線加工された高強度高炭素鋼のセメンタイト球状化による強度劣化を制御する技術を検討した.その結果,磁場の印加により期待通りの効果が得られることを確認した.
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Research Products
(24 results)