2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳時計ニューロンにおける光シグナリングと概日リズム制御の分子解析
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19107002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深田 吉孝 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80165258)
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Keywords | 脳・神経 / 視覚 / 光 / シグナル伝達 / サーカディアンリズム / 転写因子 / タンパク質リン酸化 / 松果体 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、以下の成果を得た。 1)2種類の光受容ニューロンの特異性を規定する遺伝子ネットワークに関する研究: これまでの研究において我々が単離した転写因子は、松果体特異的な遺伝子発現に必須であることがわかっている。個体レベルでの異所発現実験により、この転写因子は、松果体の発生にも関与する他の転写因子と協調して遺伝子発現を亢進することが明らかになった。 2)時計の位相制御メカニズムに関する研究: 哺乳類の時計細胞において、c-Jun N-terminal kinase (JNK) が時計タンパク質複合体CLOCK-BMAL1をリン酸化することを見出した。JNK3-KOマウスの行動解析を行った結果、恒暗条件下での行動周期が野生型に比べて長い(KO; 24.1 ± 0.1 hr, WT; 23.6 ± 0.2 hr)ことに加えて、夜間の光照射に伴う位相シフトが大きく阻害されることが判明した。恒明条件では、アショフの経験則に従って光強度依存的にマウスの行動周期は長くなることが知られているが、JNK3-KOマウスはアショフの経験則に従わず、光強度によらず一定の周期を示すことを見出した。このように、JNKは外界の光情報をBMAL1-CLOCK複合体にリン酸化シグナルとして伝達することにより、概日時計の周期や位相を決定することを明らかにした。3)桿体と錐体の応答特性を規定する因子に関する研究: 網膜の2種類の視細胞(桿体と錐体)の応答特性の違いを規定する因子を網羅的に探索するため、桿体と錐体にそれぞれGFPを発現する組換えゼブラフィッシュ系統を出発材料に、これらの網膜より蛍光セルソータを用いてGFP陽性細胞を単離し、これらの細胞における遺伝子発現を互いに比較解析した。その結果、約150の桿体特異的な遺伝子と約200の錐体特異的な遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(29 results)