2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19107004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 春雄 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (60114485)
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Keywords | 細胞内シグナル伝達 / ストレス応答 / MAPキナーゼ / 浸透圧センサー / 酵母 |
Research Abstract |
浸透圧変化に対する適切な細胞応答は、生物の生存に不可欠なものであるが、その分子機構には不畢な点が多い。本研究計画では、酵母のHigh Osmolarity Glycerol(HOG)経路をモデル系として、高浸透圧適応に係わるシグナル伝達機構の解明を目指す。本年度は、以下の成果を挙げた。 1)酵母の第1種浸透圧センサーSln1はと不チジンキナーゼ活性とリン酸転移活性とを持ち、Ypd1を経た多段階リン酸転移反応によりSsk1のリン酸化状態を調節する。脱リン酸化状態のSsk1-OHは、HOG MAPキナーゼカスケードのMAPKKKであるSsk2およびSsk22に結合することでそれらを活性化する。一方、リン酸化状態のSsk1-Pには、Ssk2/Ssk22への結合能がないが、単にSsk2/Ssk22活性化能がないだけではなく、Ssk1-OHとヘテロ2量体(Ssk1-OH/Ssk1-P)を形成することで、Ssk1-OHによるSsk2/Ssk22活性化をも阻害する。このように、Ssk1にはSsk2/Ssk22の活性を負に制御する機能もあり、それによって浸透圧ストレス不在下でのHOG経路の偶発的活性化を抑制する。 2)酵母の第2種浸透圧センサ一Hkr1/Msb2によるHOG経路の活性化には、Ste11MAPKKKとアダプタータンパク質Ste50との複合体が構成的膜タンパク質Opy2と結合して、膜に局在化することが必須である(昨年度報告)。本年度は、活性化したHog1MAPキナーゼによるSte50のリン酸化がSte50-Opy2結合を阻害し、その結果HOG経路活性化へ負にフィードバック制御することを見出した。また、Opy2タンパク質の詳細な構造機能解析により、Opy2が従来考えられていたような単なる膜アンカーではなく、浸透圧検出とシグナル制御とにより動的な関与をするものであることを見出した。
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Research Products
(4 results)