2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルタナリア病原菌の植物寄生性を決定するCD染色体の比較ゲノミクス
Project/Area Number |
19108001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柘植 尚志 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30192644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183343)
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Keywords | 植物病原糸状菌 / 植物寄生性 / 宿主特異的毒素 / CD染色体 / 比較ゲノミクス |
Research Abstract |
Alternaria alternataには、病原性の決定因子として宿主特異的毒素を生産する7つの病原性系統(病原型)が存在する。先に、5つの病原型から毒素生合成遺伝子クラスターを単離するとともに、それらが小型(<2.0Mb)のconditionally dispensable (CD)染色体にコードされていることを見出した。本研究では、3つの病原型のCD染色体について、それらの構造と機能を比較解析し、A.alternata病原菌の寄生性を決定するCD染色体の構造、機能さらに起源の解明を目指す。 当初、イチゴ菌NAF8株、リンゴ菌IFO8984株およびナシ菌O-276株のCD染色体の比較ゲノミクスを予定していた。しかしながら、ナシ菌O-276株では毒素生合成遺伝子の一部が他の小型染色体にも重複分布することが明らかとなった。そこで、本研究課題を円滑に進めるために、1.0MbのCD染色体がすでに同定されているトマト菌As-27株に解析対象を変更した。 イチゴ菌のCD染色体(1.05Mb)の塩基配列はすでに決定しており、今年度は、リンゴ菌の1.4Mb染色体とトマト菌の1.0Mb染色体の構造解析を行なった。両菌のCD染色体の塩基配列をパイロシークエンシング法によって解析したところ、得られたコンティグの総塩基長が予想染色体サイズの50%程度と大きく下回った。そこで、CD染色体断片を含むBACクローンの両末端配列を決定し、上記コンティグにマッピングした。その結果、ほとんどのクローンがコンティグ上にマップされ、どちらの染色体も大規模な繰り返し配列構造を持つことが示唆された。 3病原菌の推定毒素生合成遺伝子クラスター領域から、遺伝子破壊法と遺伝子サイレンシング法を用いて、新たな毒素生合成遺伝子を同定した。
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