2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19108003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 終五 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 滋晴 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (40401179)
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Keywords | 水産学 / ゲノム / 発生・文化 / 筋肉 / トラフグ / 小型魚類 / 転写制御 |
Research Abstract |
トラフグ成体の速筋、表層遅筋、および背鰭の起立/下制筋につき組織化学的な解析を行った結果、いずれの部位でも大きさや筋原線維ATPaseの活性が異なる様々な筋線経が混在しており、複数種のミオシン重鎖遺伝子(MYH)の発現が考えられた。実際、ランダムクローニングおよびノザンプロット解析の結果、これら筋肉での複数のMYHの発現が認められた。一方で、その組成や優先的に発現するMTHは部位により明確に異なり、さらに、養殖と天然の個体ではMYHの組成に違いがあることも示され、トラフグが筋肉の部位や環境に応じた複雑なMYTHの発現制御を行っているととが示された。 MYH_<M5>はトラフグの遅筋と心筋に特異的に発現するMYHで、19年度の解析から当該遺伝子の翻訳開始点上流4kbに組織特異的な発現に十分な転写制御領域が含まれることを示した。脊椎動物の遅筋の発生にはhedgehog(Hh)シグナルが密接に関わるが、MYH_<M5>の上流4kbに緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を連結したレポー夕ーベクターをゼブラフィッシュ胚に導入し、さらに薬剤処理でHhシグナルを阻害したところ、無処理胚に比べて明らかにGFPの発現が減少し、MYT_<M5>プロモーターの活性がHhシグナルに依存することが示された。また、上流4k〜1kまでの様々な領域の欠損変異体を用いた解析により、MYH_<M5>の組織特異的な発現には、上流1kb〜1.5kb、1.5kb〜2kb、2kb〜4kbに分布する複数の領域のシス制御が関わることが明らかになった。その他、トラフグ胚の速筋で主に発現するMYH_<M743-2>やメダカの水平筋隔に発現するMYH_<M743-2>についても、その特異的な発現に必要な領域を抽出した。特に、MYH_<embl>ではその儀域を61bpまで絞り込み、現在当該観域に結合する転写因子のスクリーニングを開始している。
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