2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19108003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 終五 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 滋晴 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (40401179)
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Keywords | 水産学 / ゲノム / 発生・分化 / 筋肉 / トラフグ / 小型魚類 / 転写制御 |
Research Abstract |
トラフグ成体および胚の様々な筋肉で優先的に発現するミオシン重鎖アイソフォーム遺伝子(MYHs)の転写産物の分布をin situ hybridizationにより解析した。速筋と遅筋にそれぞれ特異的なMYHsの存在とそれらの分布様式を明らかにするとともに、速筋を構成する筋線維の中でも、新しく作られたものは特異的なMYHを発現することが明らかになった。さらに当該MYHは初期の筋発生の後、成長に伴って筋肉が肥大する時期に、新しい筋線維が作られる背側と腹側の筋節の端で特異的に発現することも明らかになり、筋成長や魚類筋肉に特徴的にみられる成体での線維数の増大との関連に興味が持たれた。 これらMYHsの一つであるMYH_<M5>はトラフグの遅筋と心筋に特異的に発現する。平成21年度はMYH_<M5>のゼブラフィッシュオーソログであるMYH7Bとの比較解析から、両遺伝子上流にある保存領域を同定し、さらにその欠損変異体の解析から、MYH_<M5>の翻訳開始点上流479b~606bの128bp中に遅筋/心筋特異的な遺伝子発現を正に制御するcisエレメントが含まれることを示した。同様の解析で、トラフグ胚の速筋で主に発現するMYH_<M743-2>につき、翻訳開始点上流1-2kbにプロモーターが含まれることを示した。さらに、メダカの水平筋隔に発現するMYH_<embl>については、その特異的な発現に必要な領域を61bpまで絞り込んだが、この領域に含まれるE-box配列、SRYおよびdeltaEF1の結合配列に変異を導入してもプロモーター活性は変化せず、未知のcisエレメントの存在もしくは複数のcisエレメントが共同して発現に関与していることが示唆された。いずれも転写制御領域は絞られつつあり、次年度以降の解析で転写因子の同定につなげたい。
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Research Products
(16 results)