2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規ペプチドを用いた畜産・獣医領域におけるトランスレーショナルリサーチ
Project/Area Number |
19108004
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村上 昇 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (80150192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 桂子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90315359)
保田 昌宏 宮崎大学, 農学部, 助教 (10336290)
上村 俊一 宮崎大学, 農学部, 教授 (90233949)
片山 哲郎 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (30264352)
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Keywords | 細胞分裂 / デスアシルグレリン / グレリン / 摂食 / 脊髄 |
Research Abstract |
本年度は以下の2項目で成果が挙げられた。 1.胎児期から新生児期のいつ、どのようにグレリンやデスアシルグレリンの神経細胞増殖促進作用が変遷するのかを検討した。妊娠17日の脊髄、視床下部培養神経細胞ではグレリンおよびデスアシルグレリンのいずれも、BrdU取込み量の有意な増加を起こしたのに対し、妊娠19日および新生児の脊髄、視床下部では、グレリンの添加でのみ有意な増加が認められ、デスアシルグレリンによる増殖作用は認められなかった。また、神経芽細胞マーカーのネスチン陽性細胞とグリア細胞においてBrdUあるいはGHSRとの二重染色像が観察された。以上のことから、デスアシルグレリンに親和性の高い受容体は胎児期末期に消失し、同時にデスアシルグレリンによる増殖作用が無くなるものと推測される。2.種々の物質をラットの胃へ直接注入した時のグレリン分泌への影響を調べた。また、グレリン分泌への自律神経系支配の可能性を調べるため、低温、高温あるいは拘束ストレスを負荷し、その影響を検討した。5ml相当量の空気や3mlの水を胃へ直接注入してもグレリン分泌の有意な変動は認めなかったが、3mlのとうもろこし油や20%グルコース液の注入は有意にグレリンレベルを減少させた。20%エタノールでは急性投与で減少し、2週間の慢性投与で増加した。また、自由摂食ラットを、低温(12℃)下あるいは拘束ストレス下に置いたところ、グレリン値の有意な減少が認められ、逆に高温(35℃)下では有意な増加が認められた。次に、ラットを高温下に置く前にグレリンを皮下投与すると、生食水投与群に比べて高温による体温の上昇を有意に抑制した。グレリンの分泌は空気や水などの機械的刺激よりむしろ糖や脂肪による特異的な物質で抑制されていることが推測された。また、環境やストレスに反応したことから自律神経支配下にもあると推測された。高温下でのグレリン上昇は体温の恒常性維持に寄与しているかも知れない。
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Research Products
(13 results)