2009 Fiscal Year Annual Research Report
Rac GTPaseを介した植物免疫の分子機構の解明
Project/Area Number |
19108005
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 努 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (90283936)
WONG Hann Ling 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (00403353)
河野 洋治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 研究員 (00406175)
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助教 (30137799)
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Keywords | Rac / 植物免疫 / Gタンパク質 / バイオイメージング / 耐病性 |
Research Abstract |
植物は病原菌の感染を認識し、迅速に様々な抵抗性反応を誘導する。しかし、病原菌を認識する植物受容体の機能がどのように制御されているかについては殆ど明らかになっていない。イネの抵抗性誘導の鍵因子として働く低分子量Gタンパク質OsRac1の相互作用因子として、Sti1を同定した。Sti1はHSP90とも相互作用し、分子シャペロンとして機能していることが示唆されている。RNAi法を用いて、Sti1発現抑制体を作成したところ、Sti1発現抑制体ではいもち病に対する抵抗性が低下し、さらにキチンエリシターによる防御応答が顕著に抑制されていることがわかった。このことは、Sti1が抵抗性誘導を正に制御していることを示している。イネでは、OsCERK1がキチンを認識し、防御反応を誘導することが知られているため、OsCERK1とSti1の相互作用を酵母Two Hybrid法およびBiFC解析を用いて解析したところ、両タンパク質が直接的に相互作用することが検出された。また、蛍光タンパク質により可視化したOsCERK1は細胞膜および小胞に局在し、小胞輸送の阻害剤を加えると、小胞体へのOsCERK1の蓄積が見られることから、OsCERK1は小胞輸送により小胞体から細胞膜に運ばれていると考えられる。また、Sti1抑制変異体では、小胞体におけるOsCERK1の局在量が増加しており、Sti1がOsCERK1タンパク質の成熟および、小胞体から細胞膜への輸送を制御していることがわかった。
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