2011 Fiscal Year Annual Research Report
Rac GTPaseを介した植物免疫の分子機構の解明
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19108005
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 洋治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (00406175)
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Keywords | Rac / 植物免疫 / Gタンパク質 / バイオイメージング / 耐病性 |
Research Abstract |
1)OsRac1による防御関連遺伝子の制御機構の解明 恒常的活性型のOsRac1により発現誘導がされる転写因子を検索したところ、basic helix-loop-helix型転写因子であるRac Immunity 1(RAI1)を得た。RAI1のアクティベーションタグラインは、顕著に耐病性が向上しており、RIM1が耐病性に関与する分子であることが明らかになった。RAI1により発現が調節される遺伝子として、PAL1とOsWRKY19を同定した。RAI1は、PAL1とWRKY29のプロモーター部位に直接結合して、それらの遺伝子発現調節をしていることが明らかになった。 2)抵抗性タンパク質の細胞膜への局在化機構の解明 植物の抵抗性遺伝子産物(以下、抵抗性タンパク質)は、病原体を認識する細胞内レセプターとして働くことが知られている。現在、抵抗性タンパク質の細胞内局在の分子メカニズムや耐病性反応と局在との関連に関してはほとんど明らかになっていない。パルミトイル化が抵抗性タンパク質Pitの細胞膜局在に重要であることが明らかになった。これまでに、恒常的活性型のPitは、細胞死や活性酸素の産生を誘導することを明らかにしている。この恒常的活性化型にパルミトイル化コンセンサス配列の変異を入れた二重変異体は、細胞死や活性酸素の産生が減少していた。さらに、パルミトイル化変異体は、OsRac1に対する相互作用が減少していることも見出した。以上の結果から、パルミトイル化を介してPitが細胞膜にアンカーすることが、OsRac1を介した免疫誘導に重要であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)