Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 浩 東京大学, 医学部付属病院, 准教授 (40282660)
大西 五三男 東京大学, 医学部付属病院, 講師 (70311628)
田中 栄 東京大学, 医学部付属病院, 准教授 (50282661)
鄭 雄一 東京大学, 工学系研究科, 教授 (30345053)
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Research Abstract |
軟骨変性制御分子のクローニングと分子ネットワークの解明については,肥大分化レポーターシステムの確立を目指して,COL10の転写調節領域をタンデムに重ねてGFP蛍光レポーターと組み合わせた肥大分化レポーターシステムの構築を終了した。現在,蛍光レポーターベクターを安定導入した軟骨細胞前駆細胞株ATDC5において軟骨細胞肥大分化のリアルタイムモニタリングシステムを確立している。また,肥大化に関連して,軟骨細胞のアポトーシス関連分子であるosteoprotegerinがOA負荷時の軟骨に防御的に働くことをマウスモデルを用いて解明した(Arthritis Reum 56:3358,2007)。 また,医用工学的手法を駆使して,変形性膝関節症(膝OA)のX線画像上の複数の重症度指標を自動的に計測できるコンピュータ支援診断システムKOACAD (knee OA computer assisted diagnosis)を世界に先駆けて開発した(Osteoarthritis Cartilage, in press)。これは,立位膝関節単純X線画像上の,内,外側の関節裂隙の最小距離(mJSW)および面積(JSA),内側の骨棘面積(OPA)および大腿脛骨角(FTA)を自動的に計測するソフトであり,ROADプロジェクトの住民コホートデータベースの内,1,979膝を膝痛群(594膝)と非膝痛群(1,385膝)に分けて解析したところ,男女ともに内側mJSWの減少が膝痛と最も強い相関を示した。 ROADの3箇所の住民コホートにおいて3040名の初回調査データベースの作成を終了した。これを用いてKOACAD重症度を数値化し,理学所見と自覚症状を含む関節症状,QOLなどを併せ因子分析により潜在的な要因,背景にある要素を分析している。また,来年度以降の遺伝子解析のため検出された危険因子を元にデータベースを階層化,層別化し,危険因子の重みづけで平均化した後,各群から解析対象検体の抽出を開始した。
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