2008 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の病因解明・治療標的分子同定のための統合研究:ROADプロジェクト
Project/Area Number |
19109007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 耕三 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50282661)
池田 敏之 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80322759)
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Keywords | 変形性関節症 / 軟骨代謝 / 遺伝子 / 画像解析 / 疫学 |
Research Abstract |
1)軟骨変性制御分子のクローニングと分子ネットワークの解明 初年度に確立した肥大分化レポーターシステムを用いて、軟骨細胞前駆細胞株ATDC5において軟骨細胞肥大分化のリアルタイムモニタリングのシステムを確立した。これを用いて、種々ライブラリーの発現クローニングを行い、肥大分化制御分子として、C/EBP-betaとHIF-2aifaを同定した。それぞれのノックアウトマウスの骨格系の解析を行なったところ、C/EBP-betaは細胞周期分子p57を介して軟骨細胞の肥大分化に関与し、変形性関節症の軟骨変性にも関与していることがわかった(PLoS ONE 4:e4543, 2009)。一方、HIF-2alfaはさらに後半の肥大化軟骨細胞の石灰化や血管新生を統合的に制御する分子であることが示された(論文投稿中)。 2)重症度評価システムの開発 初年度に我々が開発に成功した変形性膝関節症の重症度自動定量システム(KOACAD)を、ROADコホートのベースラインデータに適応した。その結果、男女ともに内側関節裂隙の狭小化が腰痛と最も強い相関を示し、骨棘面積は有意な相関を示さなかった(Osteoarthritis Cartilage 16:1300, 2008)。KOACADは近い将来に製品化される予定であり、骨粗鬆症における骨密度測定のように、膝OAの客観的な診断基準の確立、および治療の正確な評価法として新薬の開発にも寄与することが期待される。 3)遺伝・環境因子の網羅的・系統的探索 ROADコホートのベースラインデータを用いて、変形性膝関節症および変形性腰椎症のゲノムワイドスクリーニング(1次スクリーニング)を終了した。既に感受性遺伝子として可能性の高い遺伝子が絞り込まれており、別のコホートを用いた2次スクリーニングに移行している。
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