2007 Fiscal Year Annual Research Report
学習・記憶の情報表現研究とその工学的モデルへの応用
Project/Area Number |
19200014
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
塚田 稔 Tamagawa University, 脳科学研究所, 教授 (80074392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 比呂志 玉川大学, 工学部, 教授 (50281671)
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
岡田 浩之 玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
酒井 裕 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (70323376)
奥田 次郎 玉川大学, 脳科学研究, 嘱託教員 (80384725)
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Keywords | 時空間学習則 / ヘブ学習則 / 記憶の情報表現 / 計算論モデル / 海馬培養錐体細胞 / 変数選択問題 / 非侵襲脳計測 / カントールコーディング |
Research Abstract |
1.海馬CA1の文脈形成原理 (1)海馬ニューロンでHEBB則と時空間学習則が共存することを実験的に検証した。細胞発火に依存して入力を与えたシナプス荷重を増強するHEBB則(スパイクタイミング依存性LTP-STDP)はアテンションや意志のようなトップダウン情報に都合が良い。一方、ボトムアップな入力同士のタイミングとパターンに依存する時空間学習則は感覚入力の時空間文脈を作るのに適している。この結果から、強化学習の枠組みにおいて推論、報酬、価値といった文脈形成の細胞レベルのモデルを構築し、実際に行動上有効に働く仕組みとして、報酬信号に依存してシナプス学習則が変化する機構を提案した。また、工学的モデルへのフィージビリティについても検討した。 (2)海馬ニューロンにおいて階層的相似性コード(カントール性)を1細胞の膜電位レベルで検証した。 2.海馬-皮質記憶システム (1)聴覚への音刺激と両足への電気刺激による古典的条件付実験によって、訓練周波数に対応する聴覚野の応答領域が拡大することを光計測法で示した。この過程で条件付後、電気刺激によるトップダウン情報により訓練周波数の音情報を想起する可能性が示された。この結果、非陳述記憶の形成メカニズムが明らかになった。 (2)ヒトの脳のMRI計測により過去の記憶をもとに未来の行動計画を行う過程で、運動関連領野、海馬領域、内側前頭葉などが協調して働くことが明らかとなった。
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Research Products
(26 results)